山口蛍(撮影:浦正弘/フォート・キシモト)

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試合前日練習で、日本は両サイドに特別なゾーンを作り、サイドバックから逆のサイドに大きく早く展開して攻撃するパターンを練習していた。カンボジアが5枚の守備ラインを敷き、その前に4人の選手で蓋をする布陣を採るだろうという予想から、サイドを使って攻撃しようという意図があった。

だが、中央のMFにとっては両翼が開く分、守る範囲が広くなる。さらに試合が始まると別の問題も発生した。カンボジアは思った以上にタイトな守備をしてきたため、なかなか守備ラインの裏に抜け出せない。山口蛍と遠藤航はフリーでボールを持てるのだが、ボールを縦に入れて揺さぶろうとしても、マークが厳しくてボールを奪われるか、コースが狭くてカットされてしまう場面が続いたのだ。

山口は試合の流れをこう分析していた。

「前半のリズム悪くなったのは、自分たちのパスミスだったり、そういうところから相手にカウンターを食らってリズムを持って行かれたから。そこでバタバタしたので前半は悪かったと思います」

だが、後半に入ると柏木陽介が入り、日本は好転する。ボールが一度柏木を経由することでリズムが生まれ始めた。それまでグラウンダーで縦に当てたり、ペナルティエリアの左右の外を使っていたのが、浮き球で守備ラインの裏にボールをパスしてカンボジアの混乱を誘った。

山口はそこから裏方に徹する。ボールを奪うと、すぐに柏木へパス。このシンプルな動きがその後の柏木のロングパスと相まって試合を動かし始めた。

「後半はより裏の動きも出てきたし、それで自分たちの流れに持ってきたかと思います。自分は陽介君が入ることで、陽介君は裏へのボールがうまいというのもあるし、自分がそれをあまり得意じゃないから、自分はそれじゃなくて代わりにサイドに振ったり、そういうのでうまく役割分担ができたと思います」

C大阪のユース時代は10番をつけていた山口だから、自分でも変化をつけられるのだろう。だが五輪代表に選ばれたとき、関塚隆監督の下で考えを変えたという山口は、そこからずっと自己犠牲溢れるプレーでチームを支えている。

勝利を収めてほっとしただろうか。「僕は帰ってからチームが忙しいので、気持ちを切り替えてとダメだと思っています」。代表選手でありながら、ただ一人J2での戦いを強いられている山口は、生真面目にそう言ってミックスゾーンを去って行った。

【日本蹴球合同会社/森雅史】

▼ 山口蛍

(撮影:浦正弘/フォート・キシモト)


▼ 岡崎慎司

(撮影:浦正弘/フォート・キシモト)


▼ 吉田麻也

(撮影:浦正弘/フォート・キシモト)


▼ 原口元気

(撮影:浦正弘/フォート・キシモト)


▼ 香川真司

(撮影:浦正弘/フォート・キシモト)


▼ 西川周作

(撮影:浦正弘/フォート・キシモト)


▼ 西川周作

(撮影:浦正弘/フォート・キシモト)


▼ 長友佑都

(撮影:浦正弘/フォート・キシモト)


▼ 長友佑都

(撮影:浦正弘/フォート・キシモト)


▼ 藤春廣輝

(撮影:浦正弘/フォート・キシモト)


▼ 南野拓実

(撮影:浦正弘/フォート・キシモト)


▼ 本田圭佑

(撮影:浦正弘/フォート・キシモト)


▼ 槙野智章

(撮影:浦正弘/フォート・キシモト)