鳥越裕貴 芝居をやるのも観るのも大好きな“愛すべき役者バカ”「この仕事を天職にしたい」
大人気シリーズの舞台『弱虫ペダル』の鳴子章吉役で注目を集めた鳥越裕貴。実は本格的に俳優デビューを果たしてから5年たらずなのだが、多くの人に強烈なインパクトを植え付けているのは、彼が根っからの役者バカであることと関係があるのだろうか…? 役への向きあい方や、気になるプライベートの話をにこやかに話してくれる24歳。人を惹きつける豊かな表現力に定評のある鳥越の魅力に迫った。
撮影/松村みほ(Rooster) 取材・文/花村扶美
ヘア&メーク/古橋香奈子(LaRME)
――小学生の頃、お母さんが劇団ひまわりに入れようとしたのを拒んでいたそうですね。
そうなんですよ(笑)。親からしたら、目立つのが好きな子どもだったので、劇団に入れたらいいんちゃうかなって思ったみたいなんですけど。
――友だちと遊ぶほうが楽しかった?
人前に立つのは好きだったけど、演技をすることは恥ずかしかったんでしょうね。
――幼稚園の頃のお遊戯で、劇をすることとかあったと思うんですが、そのときは何か役をやらなかったんですか?
このあいだアルバムを見てたら、クリスマスツリーの役をやってる写真を見つけました(笑)。
――クリスマスが舞台のお話だったんですかね?
はい。そういう意味ではメインのキャラクターを演じてましたね(笑)。
――小さい頃の夢はありましたか?
まわりの友だちが消防士やサッカー選手と言っているなかで、僕はなかったんですよね。とにかく友だちと遊ぶことが大好きで、先のことまで考えていなかったんやと思います。幼稚園の頃は、仮面ライダーやウルトラマンになりたいって言ってましたけど(笑)。
――それが劇団に入ることになったのは、どういう経緯からだったんですか?
ずっと大阪に住んでいたんですけど、親の仕事の関係で18歳の頃、東京へ引っ越して来たんです。そのときに「せっかく東京に来たんやし、やってみたら?」ってまた親に言われて(笑)。
――それでレッスンを受けてみようかと?
はい。でも、最初のころは演技にまったく興味が湧きませんでした。体を動かすことが好きやったんで、ダンスやアクロバットや殺陣のほうが楽しかったですね。
――お芝居に興味を持ったキッカケは何だったんですか?
やる気のない僕の様子を見たお芝居の先生に、ある日、すごく叱られたんです。そのときに、「くそー!俺もやったるで!」という負けん気みたいなものが芽生えて。それでお芝居のレッスンにも力を入れるようになったら、どんどん楽しくなりました。
――やる気スイッチが入ったわけですね。
その頃は週5〜6日、レッスンに通っていたんですが、1年くらい経った頃にオーディションで『イナズマイレブン』の舞台出演が決まって。受かったときはうれしかったですね。
――ご自身が目標にしている役者さんはいますか?
浅野和之さんです。存在感がある役者さんだなって。
――浅野さんの舞台を観に行かれたことは?
あります。『海をゆく者』という舞台を観たときに、浅野さんが演じないと意味がないんだって強く感じました。人間的にもとても素敵な方だと聞くので、いつか共演させていただきたいです。
――同世代で憧れている役者さんはいますか?
尊敬している先輩は村井良大さんです。僕が初めて出演した舞台『弱虫ペダル』で初めてお会いしたんですけど、背中をずっと追っていきたい先輩です。
――村井さんを尊敬する理由は?
言葉数は多くないんですけど、ひとりひとりのことを見てくれているうえに、掛けてくれる言葉が胸にグッと来るんですよね。初めて共演させてもらったときに、僕が悩んでいたら「大丈夫だよ。俺も19歳や20歳のときは同じだったから焦らなくてもいいよ」って言ってくれて。良大くんでさえ、そんな時期があったんだと知ってからは不安が消えて、気持ちを新たに頑張れるようになりました。
――「役者になってよかった」と思う瞬間はどんなときですか?
お手紙をいただいたときですね。僕の演技を見て勇気をもらったとか、元気をもらったとか言ってくださる方がいて、たくさんの人に影響を与えられる仕事なんだとうれしくなったし、生半可な気持ちではできないなと身が引き締まります。
――今の仕事は天職だと感じますか?
天職というか、天職にしたいというか(笑)。とにかく食らいついていこうと思っています。
――鳥越さんにとって舞台の魅力とは何でしょうか?
よく「舞台は生もの」と言いますけど、2時間や3時間、緊張を途切らせることなく気持ちを持続させるのも好きですね。つねに気が抜けないところが、舞台の魅力です。稽古でやってきたことが、お客さんの息使いやその場の雰囲気でどんどん変わっていく…それが本当に楽しいんです。
撮影/松村みほ(Rooster) 取材・文/花村扶美
ヘア&メーク/古橋香奈子(LaRME)
最初は演技にまったく興味がなかった
――小学生の頃、お母さんが劇団ひまわりに入れようとしたのを拒んでいたそうですね。
そうなんですよ(笑)。親からしたら、目立つのが好きな子どもだったので、劇団に入れたらいいんちゃうかなって思ったみたいなんですけど。
――友だちと遊ぶほうが楽しかった?
人前に立つのは好きだったけど、演技をすることは恥ずかしかったんでしょうね。
――幼稚園の頃のお遊戯で、劇をすることとかあったと思うんですが、そのときは何か役をやらなかったんですか?
このあいだアルバムを見てたら、クリスマスツリーの役をやってる写真を見つけました(笑)。
――クリスマスが舞台のお話だったんですかね?
はい。そういう意味ではメインのキャラクターを演じてましたね(笑)。
――小さい頃の夢はありましたか?
まわりの友だちが消防士やサッカー選手と言っているなかで、僕はなかったんですよね。とにかく友だちと遊ぶことが大好きで、先のことまで考えていなかったんやと思います。幼稚園の頃は、仮面ライダーやウルトラマンになりたいって言ってましたけど(笑)。
――それが劇団に入ることになったのは、どういう経緯からだったんですか?
ずっと大阪に住んでいたんですけど、親の仕事の関係で18歳の頃、東京へ引っ越して来たんです。そのときに「せっかく東京に来たんやし、やってみたら?」ってまた親に言われて(笑)。
――それでレッスンを受けてみようかと?
はい。でも、最初のころは演技にまったく興味が湧きませんでした。体を動かすことが好きやったんで、ダンスやアクロバットや殺陣のほうが楽しかったですね。
――お芝居に興味を持ったキッカケは何だったんですか?
やる気のない僕の様子を見たお芝居の先生に、ある日、すごく叱られたんです。そのときに、「くそー!俺もやったるで!」という負けん気みたいなものが芽生えて。それでお芝居のレッスンにも力を入れるようになったら、どんどん楽しくなりました。
――やる気スイッチが入ったわけですね。
その頃は週5〜6日、レッスンに通っていたんですが、1年くらい経った頃にオーディションで『イナズマイレブン』の舞台出演が決まって。受かったときはうれしかったですね。
気が抜けないところが舞台の魅力
――ご自身が目標にしている役者さんはいますか?
浅野和之さんです。存在感がある役者さんだなって。
――浅野さんの舞台を観に行かれたことは?
あります。『海をゆく者』という舞台を観たときに、浅野さんが演じないと意味がないんだって強く感じました。人間的にもとても素敵な方だと聞くので、いつか共演させていただきたいです。
――同世代で憧れている役者さんはいますか?
尊敬している先輩は村井良大さんです。僕が初めて出演した舞台『弱虫ペダル』で初めてお会いしたんですけど、背中をずっと追っていきたい先輩です。
――村井さんを尊敬する理由は?
言葉数は多くないんですけど、ひとりひとりのことを見てくれているうえに、掛けてくれる言葉が胸にグッと来るんですよね。初めて共演させてもらったときに、僕が悩んでいたら「大丈夫だよ。俺も19歳や20歳のときは同じだったから焦らなくてもいいよ」って言ってくれて。良大くんでさえ、そんな時期があったんだと知ってからは不安が消えて、気持ちを新たに頑張れるようになりました。
――「役者になってよかった」と思う瞬間はどんなときですか?
お手紙をいただいたときですね。僕の演技を見て勇気をもらったとか、元気をもらったとか言ってくださる方がいて、たくさんの人に影響を与えられる仕事なんだとうれしくなったし、生半可な気持ちではできないなと身が引き締まります。
――今の仕事は天職だと感じますか?
天職というか、天職にしたいというか(笑)。とにかく食らいついていこうと思っています。
――鳥越さんにとって舞台の魅力とは何でしょうか?
よく「舞台は生もの」と言いますけど、2時間や3時間、緊張を途切らせることなく気持ちを持続させるのも好きですね。つねに気が抜けないところが、舞台の魅力です。稽古でやってきたことが、お客さんの息使いやその場の雰囲気でどんどん変わっていく…それが本当に楽しいんです。