マイナンバー導入で、副業ホステス・キャバクラ嬢の多くが「夜の仕事が会社や親にばれる」ことを恐れ、辞めたがっているという。「夜の街」はどう変わるのか。まず真っ先に、従業員不足が深刻化するとBRICs経済研究所代表でエコノミストの門倉貴史氏が語る。

「政府は東京五輪の2020年までに外国人観光客の年間2000万人を目標に掲げてきました。実際に訪日客は増加し、夜の街に繰り出す外国人で需要は増えているのに、供給が追い付かない」

 従業員不足により、店の経営は厳しさを増す。

「今でも新宿・歌舞伎町のキャバクラは警察や税務署の摘発を逃れるために短期間で稼いですぐに店を畳むところが増えている。短期間で荒稼ぎすることが目的となると女の子のレベルやサービスの低下が予想され、ぼったくり料金などの請求に遭うリスクも高くなりそうです」(門倉氏)

 性風俗店の場合、もともと脱税目的で架空の人件費を計上し経費を水増しすることが少なくない。これもマイナンバー導入で、従業員の住所と氏名の他にマイナンバーを記載する必要があるために「帳簿のごまかし」はほぼ不可能になる。

「例えば横浜・曙町はファッションヘルスが過当競争で経営が厳しい。帳簿がごまかせずに売り上げを税金で取られると採算が合わず、店舗を畳むところも出てきそうです」(門倉氏)

 そうなると避けられないのが「アングラ化」だ。

「会社ばれを嫌って店を辞めたOLたちは、自分で個人売春に走ったり、ネットで援助交際や愛人募集に走る可能性がある。ホステスや風俗嬢にはこれまでの“人脈”をいかせる強みもありますしね」(風俗ライター)

 門倉氏も同じ意見だ。

「マイナンバーで帳簿のごまかしができないなら、地下に潜って無届けのままもぐり営業する風俗店が増えるでしょう。特に無店舗型の性風俗店でそうした傾向が強まりそうです」

※SAPIO2015年12月号