「うつ病は子供や働き盛りの大人がかかりやすいのですが、高齢者のうつ病患者も昨今、増えています」
 こう語るのは『脳で感じるセックス入門』の著作などがあるドクター林氏だ。

 高齢者のうつで特徴的なのが、退職後に“生きる目的”を失っていることだ。現役時代はバリバリ働いて、懸命に家族を養っていたのに、退職した途端、熱くなれるものがない。
 「とりわけ団塊世代の男性は真面目な方が多い。適当を嫌い、仕事一筋に頑張ってきた分、その反動で、うつになりやすいのです」

 読者諸兄にも団塊世代が多いため、気をつけていただきたいのだが、実のところ「うつ」と「ED」が密接な関係にあることをご存じだろうか。
 「最近の研究で、男性にも『更年期障害』があることが分かってきました。加齢による性ホルモンの減少から、精神や心理、臓器にも変調をきたして、その結果、いらいら感や不眠、うつ病的な症状を発症してしまうのです。そして、性ホルモンが減少してくると、男性機能の低下も引き起こすのです」

 お分かりだろうか。EDだからうつになるのではなく、加齢↑うつ↑EDという、手の打ちどころがない負の連鎖となるのだ。
 「加齢を止めることはできませんので、解決策はうつになる前に予防すること。そのための方法も、決して難しくはないんです」

 まず、最初に始めたいのが、ドーパミンの分泌だ。簡単にいえば、ドーパミンとはやる気を起こさせる脳内物質である。以前にも紹介したが、男性の場合は「格闘技の試合を観る」「好きな趣味に没頭する」「きれいな女性を見る」などが効果的。
 「男性は視覚で興奮する生き物ですから、“見る行為”でドーパミンを溢れさせられるのです」

 日頃から自分の興味のあるものを見ることを心掛け、次にやってもらいたいのが、「セロトニン」と呼ばれる脳内ホルモンの分泌である。
 「セロトニンは、癒やしや平穏を感じたときに分泌され、とても穏やかな心地よさを感じさせてくれます。さらに、不安神経症を抑えるのにも役立つといわれ、うつ病予防薬としても処方されているのです」

 このセロトニンを自発的に分泌させる方法を知れば、かなりの確率でうつ病やEDは防げるという。
 「食事ではヨーグルトや納豆、バナナなど、セロトニンの材料となる『トリプトファン』を多く含んだものを食べるようにすること。また、動物とのスキンシップもセロトニンの分泌を促すので、ペットを飼うことも一つの手です」

 セロトニンの分泌に関して、林氏が一番オススメする方法がある。
 「太陽の光を浴びるんです。実はコレが最もセロトニンを分泌させる行為なんですね。逆に太陽の光を浴びない生活が続くと、セロトニン不足となって、原因不明のイライラ感や不安感に苛まれやすくなるのです」

 ちなみにセロトニンが分泌されると、人間は副交感神経が優位になる。勃起が起こるのも副交感神経が優位なとき(すなわちリラックスしている状態)なので、男性機能も調子がよくなるのだ。寒い日が続くが、昼間は外に出て、きれいなお姉さんたちを見ることが、死ぬまで現役でいるコツともいえるのだ。

ドクター林
弘邦医院(東京・江戸川区)院長。『脳で感じるセックス入門』や『お医者さまが教える癒されてもっと気持ちよくなる!』など著書も多数。ED治療にも精通しており、現在、同医院では局部海綿体注入法による「ICI治療」も行っている。