島耕作の農業論

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1947年に「農業協同組合法」が公布され、全国農業協同組合中央会(JA全中)は、公布日である11月19日を農協記念日としている。公布から68年目の2015年、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の交渉が加速する一方で、農協組織を抜本改革する改正農協法が成立、農林水産省を中心に進められている取り組み「農業女子プロジェクト」などにより女性農業者に対する注目が高まるなど、日本の農業は大きな転換期を迎えようとしているようだ。今回はそんな農業の未来に注目した3冊。

J-CASTニュースの書籍サイト「BOOKウォッチ」でも特集記事を公開中。

「農業こそこれからの日本が生きる道」

週刊「モーニング」(講談社)の人気連載漫画『会長 島耕作』の主人公、島耕作と一緒に"現在の農業"を楽しく学ぶ入門書、『島耕作の農業論』(著・弘兼憲史、799円、光文社)。日本の農業は就業人口がかつての6分の1に減少し、元気がよいとは言い難いが、著者の弘兼氏は、業界についての国内外の取材を通じ、まだまだ稼ぐ力があり、農業こそこれからの日本が生きる道だという。

本書では、「サントリー会長・新浪剛史×弘兼憲史の農業立国宣言」、「農業こそメイド・イン・ジャパンを!」、「日本の農地はおかしなことだらけ」、「合理的農業国オランダに学べ」、「誰が"米"を殺すのか」、「攻めの農業が日本を元気にする」、「久松達央×弘兼憲史の農業未来論」の全7章で農業の現在と未来を徹底解剖する。

TPPで揺れる日本の農業に未来はあるのか!?

メロン農家が年商1億円に昇りつめるノウハウを公開!

「どんなにがんばっても儲からない。天候に左右される収穫量。安値安定の市場価格。積極的に農業をやろうとすればするほど、機械やビニールハウスへの出費がかさみ、借金の回収は先の先。20代前半は、生活できる未来図を描けませんでした。そんな私の農業人生を劇的に好転させたのが、"ダイレクト・マーケティング"という販売手法との出会いでした」

農産物過剰時代を生き抜く驚異の販売システムを描いた『直販・通販で稼ぐ! 年商1億円農家』(著・寺坂祐一、1620円、同文舘出版)では、「小さな農家が"直販の道"を選んだ理由」をはじめ、「直売所をはじめてお客様に直販するとき大切な4つのポイント」、「最強の農業経営"農業+直接販売"モデル」など全6章にわたり、自立した農業経営ができるノウハウを紹介。

商売や経営方法だけでなく、生き方まで学べる1冊。

日本が認定されているけど意外と知られていない"世界農業遺産"ってなに?

世界農業遺産(GIAHS)は、FAO(国際連合食糧農業機関)という国連の組織が認定している制度。日本は工業先進国でありながら、"里地里山"という伝統的な農業システムが数多く存在し、世界的な農業ムーブメントの中心に立ち、国内の5つの地域が認定を受けているという。

『世界農業遺産──注目される日本の里地里山』(著・武内和彦、842円、祥伝社)では「世界農業遺産とは何か(能登の国際会議/世界農業遺産の誕生 都市農業の可能性―ほか)、「日本にある世界農業遺産(五つの世界農業遺産が日本にある理由/トキの復活が必要なのか―ほか)、「日本の里地里山とSATOYAMA(伝わりにくい里山の概念/地産地消と道の駅―ほか)の3つの章で日本の農業の姿が描かれている。

TPPの議論が本格化する中、あらためて世界農業遺産の理念や意味について考えてみよう。