初招集の時よりも代表の一員としての自覚を強めている南野。カンボジア戦でピッチに立てれば、好プレーを見せるだけでなく、しっかりと「ゴール」という結果を残したい。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 前回の10月シリーズでA代表に初選出された南野は、結局、イラン戦のごく限られた時間しかピッチに立てなかった。時間にして約5分、チャンスに絡むどころか、ほとんどボールに触れないままタイムアップを迎えた。アピールには程遠い内容だった。
 
 しかし11月、南野は再び指揮官からその名を呼ばれた。「右サイドのFWとして活躍を期待している」(ハリルホジッチ監督)。つまり、現代表の主軸を担う本田がライバルになる。シンガポール戦の背番号4は、プレー内容こそ芳しくなかったが、しっかりとゴールという結果を残している。南野はそれをベンチから見守っていた。
 
 課された役割は自覚している。所属するザルツブルクではチーム2位のリーグ戦7ゴールを記録するも、「(ハリルホジッチ監督からは)クラブでやる時よりも、もっとFW的にどんどん裏を取れと言われます」と語る南野は、「動き出しでゴールに関われれば」と青写真を描く。本田が示すように、代表ではゴールこそが求められるのだ。
 
 南野自身、手応えを掴んでいるようだ。A代表については「憧れでもありましたし、そこに来られて嬉しいという気持ちが素直にあります」と約1か月前には語っていた。
 
 しかし、今回は「良い意味で新しい気持ちで来ましたし、試合に出られるようにしっかりアピールしているつもりです」と心境は変化している。下の世代からの突き上げ不足を問われると、「若い選手が活躍するのがチームの底上げとして必要だと思うし、世界の強豪を見ても、そういうところが大事になってくると自分は一番理解している」と言い切った。
 
 これ以上、足踏みはしていられない。勝って当たり前の格下が相手だろうが、そんなことは関係ない。南野がゴールという挑戦状を本田に叩きつけた時――将来を期待される若獅子の覚醒と、チームの新陳代謝が始まるはずだ。
 
取材・文:増山直樹(サッカーダイジェスト編集部)