寒くなると、買い物に行くのが億劫になりますね。『リボベジ』とは「リボーンベジタブル(再生野菜)」の略。にんじん・大根などのヘタや、豆苗・青ネギなどの根を「水栽培」して再度食すというもの。青味をサッと使える便利さや、野菜高騰のおりから、テレビや雑誌でも紹介されて話題になっています。園芸も家庭菜園もしたことがなくても、ちゃんと収穫できるのでしょうか?

この部分を食べてしまったら、残りの部分は?


「食べない部分」を水に浸けるだけ 。なんと葉っぱが再生します!!

厚生労働省がおこなっている『国民健康・栄養調査』では、毎年少しずつ質問の角度を変えて、国民の食生活の実態を調べています。
平成23年には「野菜類の摂取状況は 平成13年と比べて減少」という報告が。しかも「ふだん生鮮食品を入手している者のうち、この1年間に生鮮食品の入手を控えたり、入手できなかった理由として、『価格が高い』と回答した者の割合が30.4%と最も高く、20〜40歳代では4割以上」、さらに、世帯の年間収入が低い家庭ほど野菜や果物の摂取量が少ない傾向がはっきりと出ています。野菜の高騰で、ますます食べる量も少なくなりがちなのですね。
たしかに私たちが買い物するとき、限られた食費の中で 真っ先に削ろうと考えるのは、薬味系や彩りに使う青い葉っぱなのではないでしょうか。もしこれが、元手をかけずに家で手軽に収穫できたなら、ちょっと嬉しいと思いませんか?
『リボベジ』は、ふつう捨ててしまうところを水に浸けることで、その葉っぱを「再生」させて利用しようという、生活の知恵。たとえば豆苗や水菜なら、切った根の部分を水に浸けておくと、一週間くらいのうちにだんだん伸びてきて、もういちど食べられるようになるのです。また、小鉢や味噌汁・サラダなどを作っていてちょっと青味が欲しいとき、 室内に青ネギ・根みつば・クレソンなどがあれば、新鮮な葉をすぐに使えます。足りない薬味を買いに外へ出なくてよいので、 寒い季節は大助かり!
ただし野菜の中には、カイワレ大根のように(豆苗に似た形なのに)再生できない種類もあります。

豆苗の根っこから、もう一回分が!

豆苗の根っこから、もう一回分が!


クレソンや にんじん。見た目にも可愛いグリーンでおしゃれに演出を!

リボベジは、野菜の残りの部分を養分にして育ちます。にんじん・大根などはいつもよりちょっと多めに残してヘタを切り、豆苗の根なども豆より2〜3センチくらい上を切るようにしましょう。 もとの野菜はできるだけ新鮮で根やヘタがしっかりあるものを選ぶと、味の良い元気な葉が再生できます。
育てる容器は、切ったペットボトルやイチゴのパックなど 水を入れられれば何でもOKなのですが、お気に入りのガラスコップや陶器の深皿などを使うと、お部屋のグリーンとしての演出も楽しめます。置く場所は、日当りのよい窓際がおすすめです。
そしてもっとも大切なポイント・・・1日1回は必ず、水を全部とりかえるようにしましょう!! ヘタや容器にぬめりが出ないように、ついでにさっと洗っておきます。細菌を繁殖させないことが何より肝心! 室温が25℃を超えるとリボベジには適さないので、暖房のしすぎにも注意してください。
水量がわずかで軽く、子供でも無理なくお世話ができます。毎日伸びていく葉の様子を観察しつつ、自分で収穫して食べられるのが嬉しいところ。野菜に親しみがわくので 食育にもなりますね。野菜それぞれ いろんな葉っぱが出てきて、ときには思わぬ花が咲いたりと、大人もかなり楽しいです。クレソンや にんじんの葉は形が可愛くてサラダにぴったり!

元気な葉っぱが もくもく出てきましたよ

元気な葉っぱが もくもく出てきましたよ


慣れてきたら、土に植えると さらに豊かな収穫も!

ネギ類のように長い野菜は、コップやガラス瓶の底にスポンジを入れて間に立てると安定します。根元から5センチくらい残して切り、根が水に浸かるようにして、伸びたところを収穫します。芽や根が出てきたニンニクも、水に浸けておくと「ニンニクの芽」が伸びてきます。
なんと半分に切って売られているキャベツの芯からも、2週間ほどで葉が再生できるといいます。ただ少し難易度が上がりますので、リボベジに慣れてから挑戦するとよいかもしれません。
ベランダの鉢植えや庭がある方は、根が出た野菜を土に植えると、しっかりしたネギやニンニク・キャベツ・チンゲンサイなどが収穫できるそうです(もうすでに家庭菜園ですね)。
もともと捨てていた部分。 食卓の彩りに 気軽にお試しになってみては。 なんといっても、水に浸けるだけですから!

インテリアとしては微妙?

インテリアとしては微妙?

こちらは生け花っぽいカブの葉です

こちらは生け花っぽいカブの葉です