女性特有のがんは、ほかのがん同様、喫煙や飲酒、野菜不足なども原因とされる。

また、女性ホルモンが関係しているとも聞くが、なぜ女性のがんの低年齢化が進んでいるの? 日本婦人科がん検診学会理事長の佐々木寛先生に聞いた。

「子宮頸がんの原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)の性感染です。そのため、性体験の若年化により、初感染も早くなっているという考え方が1つにあります」(佐々木先生 以下同)

ただし、性体験の若年化よりも、もっと大きな原因があると佐々木先生はいう。

「HPVに感染すると、正常な状態から、イボ状のものができる『軽度異形成』に変わります。ここまでは誰でもなるもので、それが進むと『高度異形成』→『上皮内がん』→『浸潤がん』へと進行します。そして、そうしたがん化のスピードを促進してしまうのが、喫煙なのです」

一般的に軽度異形成から浸潤がんになるまで10〜15年かかるところ、喫煙者は5〜7年でがん化することが知られているそう。

「タバコには発がん物質が入っていますが、子宮頸管から出る粘液を調べると、発がん物質が高濃度で見つかるという調査結果もあります。若い女性がタバコを吸うようになり、女性のがんの若年化が進んでいると考えられるのです」

また、HPV16型というウィルスが陽性の女性の74%において、タバコによってガン化が促進したというデータもあるという。

●高齢出産が増えていることも乳がん増加の一因!?

では、乳がんが若い人に増えている原因とは?

「乳がんは授乳期間にはなりにくい傾向があり、昔は子どもを産み終わった年代の女性に多い病気でした。昔はたくさん子どもを産んだので、生理周期によるホルモンの刺激を受けない時期が多かったのに対し、今は高齢出産が増えてホルモンの刺激にさらされやすいことが原因のひとつと考えられます」

乳がんの場合、20〜30代などでかかる人の数は少ない。しかし、20〜30代の妊婦の死亡原因でいちばん多いのが子宮頸がんで、2位が乳がんだという結果があるそう。

「特に乳がんは、妊娠期には乳腺がはっているため、検査をしても映りにくいこと、また、レントゲンは被爆の問題で妊娠期には撮れないことで、時期的に発見しにくく、死亡につながりやすいこともあります」

「子宮頸がん」「乳がん」ともに、原因にはさまざまなものがあるが、どちらにも共通しているのは、喫煙ががん化を大きく促進してしまうということ。「喫煙=肺がん」に限らず、身体のあらゆる部位に影響を及ぼすことを、もう一度しっかり覚えておきたい。

(田幸和歌子+ノオト)