東洋大学時代に獲得した「学生横綱」「アマ横綱」の実績を引っ提げ、今年の3月場所に幕下付け出しでデビューした御嶽海(みたけうみ)。

「パワーとスピードが持ち味の押し相撲が得意。ツボにはまれば、相手を一瞬にして土俵の外に弾き出します」(相撲記者)

出身地である長野県木曽郡上松町ゆかりの御嶽山と出羽海部屋の「海」にちなんだ勇壮な四股名である。

本格的に相撲を始めたきっかけは、小1のとき、相撲大会で自分より体の小さな相手に負けたこと。今春、和歌山県庁への就職が内定していたにもかかわらず、2月に入門を決めたのは、熱い情熱ゆえだろう。

デビューすると、3月場所で6勝1敗、5月場所で6勝1敗と、2場所で幕下を通過。7月場所には早くも十両12枚目に上がった。

2場所での幕下通過は、昭和以降の幕下付け出しデビューでは、元横綱・輪島、元大関・武双山、元大関・雅山、遠藤らに並ぶ快挙だ。

新十両として挑んだ7月場所では、地元から応援団が駆けつけたこともあり、初日から8連勝。新十両では戦後5人目という上々の滑り出しだったが、8勝1敗で迎えた10日目、異変が起きる。対戦相手の常幸龍の張り手に口内から流血。左上唇を15針も縫う大怪我を負ってしまったのだ。

「11日目からは、持ち味の突き押しが影を潜め、立ち合いに変化するような相撲が増えてしまったんですが、これも致し方のないことでしょう」(前同)

それでも、最終的には11勝4敗で十両優勝し、9月場所は十両5枚目まで番付を上げた。口内の傷と夏の巡業で痛めた股関節が気になるが、「口はだいぶ腫れが引き、左股関節も大丈夫」と当人は意に介せず。

「(9月場所は)幕内に昇進するチャンス。まずは自分の相撲を取って勝ち越すことを目標にする」

と御嶽海。11月場所では前頭十一枚目。輝かしい経歴の持ち主だけに、期待も“横綱級”に大きく膨らむ。