日本ハム・栗山英樹監督【写真:編集部】

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就任1年目から4番起用、「なぜ4番に置いたのか。みんなやっと分かってくれたかな」

 日本ハムの栗山英樹監督が15日、侍ジャパンで奮闘する中田翔内野手へ熱いメッセージを送った。

 世界野球プレミア12で、中田はここまでの4試合で15打数8安打の打率5割3分3厘、2本塁打、11打点。14日の米国戦(台湾・桃園)では同点の6回に勝ち越し2号3ランを放ち、3試合連続V打を放っている。

 自軍の4番の活躍――。指揮官の目にはどう映ったのか。

「よく聞かれるけど、オレはなぜ1年目から翔を4番に置いたのか。みんな、やっと分かってくれたかなと。オレは、あの活躍を待っているわけだから。翔には1人でチームを勝たせられる能力がある。

 これは特別な能力。オレはアイツの能力に心中してきたわけだから。オレからすると、『これが普通の中田翔でしょ』と。そんなにすごいと思わない。状態が良かったら、これが普通」

 監督就任1年目の12年から、13年8月の左手骨折をのぞき、4番起用を続けてきた。不調時には周囲の批判もあったという。

侍Jで“恐怖の6番”として活躍も、「4番から外れた意味を分かってほしい」

「周りから『いつまで4番を打たせるのですか?』と言われていた。今は何も言われないけど、ひどかったよ。そういう選手に必ずなってくれる、なれるはずなんだと思って前に進んできた」

 侍ジャパン・小久保監督は監督就任時から「4番は中田」と期待してきたが、プレミア12では大阪桐蔭高の先輩にあたる中村剛也の4番スタメンが続いている。

「打順に変なこだわりを持ってほしくないけど、やっぱり4番から外れた意味を分かってほしい。オレはそういう(4番でない)中田翔は嫌い。翔はどこでも4番打者であることを周囲に見せつける打者でいてほしい」

 栗山監督はそう話し、4番復権へ、中田が自身の打撃スタイル、打撃能力を自覚すべき、と説いた。

「もっともっと頑張らないといけない。これ(4番から外れたこと)もメッセージと受け取って、『自分はもっとすごい、まだ自分の能力を出せてない』ということを気付いてほしい。逆に、小久保監督に4番を外してもらったことを感謝しないといけない。

 翔がこういうタイプの打者(試合を決める打者)であることは間違いない。本人が自覚してほしいし、今年の成績(打率2割6分3厘、30本塁打、102打点)は全然ダメだと思ってほしい。そしたら、自分が今後どういうふうにしないといけないのか分かるはず」

 中田に寄せる期待は人一倍大きい。それだけに、侍ジャパンの快進撃を支える主砲にさらなる飛躍を求めていた。