Doctors Me(ドクターズミー)- 【Dr.野菜ソムリエのコラム】vol.13:秋深し…キノコの恵み

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このコラムでは、旬の野菜とそれらがもたらすからだへの影響について、最新の医学論文をもとにご紹介してまいりました。

残念ながら今回で最終回となりますが、最後は、野菜には分類されないものの、秋の野菜売り場を賑わせ、そして毎日の食卓に欠かせない「キノコ」について触れてみましょう。

日本に自生しないキノコはどれ?

地球上に自生するキノコは2000種を超えますが、食用として流通しているものは、そのうち25種ほどです[※1] 。さて、次の選択肢にある馴染みのキノコのうち、日本で自生していないものはどれでしょう?

(1)ナメコ
(2)白キクラゲ
(3)トリュフ
(4)エリンギ

答えは…

(4)エリンギ

エリンギは、セリ科の植物「エリンジウム」の根に寄生するキノコです。エリンジウムは地中海周辺や中央アジアなどに分布しており、日本には生えていません。日本で売られているエリンギは、人工栽培によるものなのです。

毎日シイタケ1本で免疫力をアップ!

きのこに含まれるβ-グルカンという成分は、体内で、インターフェロンγという物質を増やしたり、腸内細菌の環境を望ましい状態にしたりします、これにより、ウイルスやがん細胞を死滅に導くNK細胞が増えるのです。ヒトでの実験では、干しシイタケ5g(=生シイタケ大1本)でこのNK細胞が増殖しやすくなるといわれています[※2]が、効果継続のためには、毎日摂取することをお勧めします[※3]。

水分をとばして旨みを凝縮

写真は、和風カレー風味でまとめた、マイタケと豚肉のオーブン焼きです。

マイタケを200℃で20分間ほどオーブンで焼くと、水分が抜けて旨みがぎゅっと凝縮されます。また、キノコの旨み成分であるグアニル酸が、昆布だしのグルタミン酸と一緒になると、風味の良さが倍増しますので、「和風」カレー味にする意味はここにあるのです。

「匂い松茸味しめじ」という言葉がありますが、キノコはそれぞれ独特の香りと味、歯ごたえを持っていますね。エノキダケ、シイタケ、エリンギ…、いろいろなキノコを焼いて、その個性をお楽しみください。

13回にわたり、野菜とからだとの関係を解説してきましたが、野菜が自らを守るべく持つしくみが、同時に私たちのからだを守るしくみでもあることがご理解いただけたかと思います。

これからも、野菜の持つ力の解明が進むことでしょう。五感で野菜を味わえる食卓に、医学的知識のスパイスを添えて、「美味しい!」という言葉が増える毎日になることを願っています。

最後までお付き合いくださり、ありがとうございました!

〜医師:吉田 菜穂子〜

脚注
[※1] Valverde et al. Int J Microbiol. 2015;376-387.
[※2] Feeney et al. J Nutr 2014;144:1128-1136,
[※3] Gaullier et al. Int J Med Mushrooms. 2011;13(4):319-326.