名ホテルの格式高い雰囲気と相まって、更なる上質な空間を作り出しているホテルバー。
ディナーの後に大事な人と過ごす王道のバータイムから、ひとり使いやアペリティーボまで、大人なら是非使いこなしたい厳選8店をご紹介。



バーテンダーは酒を引き立てるスペシャリスト
数々の名カクテルを生んだホテルバーの聖地『オールドインペリアルバー』

帝国ホテル 東京


大谷石の壁。バックバーに埋め込まれたテラコッタ。帝国ホテル旧本館の「ライト館」の気配が色濃く残るこのバー。

バーテンダーに上手なバーの使い方を尋ねると、アペリティフに注目してほしいと言う。オンとオフの間で、気分をリセットする時間。夕食の待ち合わせ場所として、軽く一杯。



訪れたならば是非とも口にしたいのがオリジナルカクテル「インペリアルホテルスペシャル」の数々

「気軽にアペリティフを」。その語り口にけれん味はなく、一見客をも温かく迎え入れる響きがある。

話の種は実に豊富。気をつけるべきは、犒擇一杯〞では終わらなくなることか。




名バーテンダーの一挙手一投足を間近に見るカウンターもいいが、奥のスーツケース型のテーブル席を前にグラスを傾けるのもおすすめの時間の過ごし方だ
赤レンガが囲むカウンターで名人のカクテルを味わう『バー オーク』

東京ステーションホテル


2012年10月、華麗に生まれ変わった『東京ステーションホテル』。数多くの物語を生みだしてきたこの場所には、駅舎創建当時の赤レンガと木の温もりを感じさせるバーがある。

バーテンダーの柔らかな物腰に上品な所作からくる独特の存在感。その手から生み出されるカクテルのうまさもあって、オープン以来連日満席だという。



とはいえ駅のバーらしく回転が早いのも嬉しい。「自己を旅する」がテーマのバーで、名バーテンダーの前に陣取り、思索の海にダイブしよう。




夜は店内にピアノ生演奏が心地よく響く
ジェームズ・ボンドにちなんだ逸話やカクテルが華を添える『バー カプリ』

ホテルニューオータニ


1967年に公開された映画『007は二度死ぬ』のロケ地となったホテルニューオータニ。『バー カプリ』には、今も世界中からファンが訪れ、映画の話に花を咲かせる。

手にするカクテルは、ジェームズ・ボンドが愛してやまないマティーニだ。数ある中でも、ウォッカベースの「ヴェスパーマティーニ」は特別な一杯。



その日の気分に合わせたオリジナルカクテルで贅沢なひと時を

「ボンドがジンではなく、ウォッカのマティーニを好むのには理由があるんですよ。ヒントは、女性」――。

そんな話を聞きながら杯を重ね、ダンディなタフガイに自分の姿を重ねてみるのも悪くはない。どうせホロホロと酔うのなら、粋な男になりきればいい。そんな遊びを許される舞台が、ここには用意されているのだから。


待ち合わせやアベリティーボに最適なバー



炎が燃えるシャンデリアがドラマティックなテイスティングルーム。インテリアデザインはトニー・チー氏が手がけた
テイスティングルームをあえての爛▲攣箸〞『マデュロ』

グランド ハイアット 東京


“非日常的空間”という表現が相応しい『マデュロ』。

ラグジュアリーホテルならではの優雅で重厚感のあるバーは、食後のみならず、ディナー前に訪れて心をオンからオフモードに切り替えるのにもうってつけだ。



扉を閉めて個室感覚での使用も

カウンターやローテーブルのソファー席でひと息つくのもよいが“アペ使い”をするならば、店内奥のスペースがおすすめ。

もともとテイスティングルームとして作られたが、どことなく秘密めいた雰囲気を好み、足を運ぶ常連客も多いという。居心地の良さを追求すべく、新たにハイスツールも導入した。




テラス席にいれば夜空がシアターに
御濠を見晴らすテラスに女性バーテンのカウンター『ラウンジバー プリヴェ』

パレスホテル東京


都内のどこからもアクセスのよい丸の内にあって、水辺に聳える『パレスホテル東京』。

その6階に位置する『プリヴェ』は、木の葉をモチーフにしたカウンターにシックなボックス席を有するラウンジバー。女性バーテンダーが作り出す軽い口当たりのカクテルはスターターにぴったり。ホテル内のフレンチレストランから運ばれる趣向を凝らしたフィンガーフードが味わえるのも嬉しい。



フルーティなカクテルやシャンパンが揃う。女性にも喜んでいただけるメニューが充実しているのも魅力的

店内の最深部にはテラス席が用意されており、暮れゆく空と四季によって表情を変える木々を望むことができる。

「デートの待ち合わせ時間に遅れてしまいそう……」。そんな時は迷わず、『プリヴェ』をウェイティングに指定しよう。そうすれば、お相手もアナタの選択に満足するに違いない。




マグナムボトルは2カ月に1度のペースで銘柄を替える
女性をエスコートするスマートな動線のあるバー『マンダリンバー』

マンダリン オリエンタル 東京


『シグネチャー』と『センス』、2つの名店に挟まれるようにして、このバーはある。バーのすぐ近くにはエレベーター。つまり、ゲストはこのバーを経由して両店へと向かうことになるのだ。

そんなロケーションのバーゆえ、ここで待ち合わせてからレストランへと女性をエスコートする。そんなスマートな動線が図らずも可能だ。バーテンダーがすべて女性という点も、さらに言えば、マグナムボトルのシャンパンをいただける点も、誘いやすいポイント。



和のテイストを盛り込んだシンプルな店内も落ち着く

「熟成がゆっくり進むマグナムボトルは通常ボトルと味が異なります。クリュッグなら酸のニュアンスが違いますし、味もまろやか。希少性も高いです」とシェフソムリエが言う。

今宵はマグナムで口開けを。そんな誘い文句の使えるバー、ほかにない。


次は、シガー、ワイン、音楽、空間をカスタマイズする究極のプライベート・バー



幻想的な空間が広がる
自分専用のロッカーにボトルをキープ『ザ・バー』

ザ・リッツ・カールトン東京


バーにおける男のステイタスシンボルといえば、ボトルキープ。『ザ・リッツ・カールトン東京』の『ザ・バー』では、店内に設えた美しいボトルロッカーの一角を年間契約で借りることができる。

ボトルの形状によっても容量は異なるが、10本前後のウィスキーが収納可能だ。この限られたスペースの爛ーナー〞となるのは、なかなかハードルが高いが、現在、すでに約8割のロッカーが埋まっている状況だという。



ジャズの生演奏と共に、様々なオリジナルカクテルを堪能できる

日常的にホテルのバーを訪れる大人ならば、憧れずにはいられない至高のサービスと言えるだろう。

自分専用のロッカーから運ばれてくる美酒の味わいはまた格別。バー使いの最上級テク、覚えておいて損はない。




4室ある個室のうち3室は靴を脱いで寛げるようになっている。ひとり使いならカウンターも
好みの音楽を流せる個室で親密な時間を満喫『M BAR』

シェラトン都ホテル東京


街場のバーとは違って、ビジネスにもプライベートにも使える個室が用意されているのが、ホテルのバーの魅力。

なかでも都心にありながら、緑の杜に佇む『シェラトン都ホテル東京』には、その在り様がすでに隠れ家のようであるにもかかわらず、さらに人目を忍ぶことができる究極の個室が存在する。



シャンパン、カクテル、ウイスキー、そして焼酎や日本酒も楽しむことができる

舶来趣味が高じた1930年代の日本を彷彿させる『M BAR』に潜む個室は4室。そのすべてにCDプレーヤーが設置されており、1930年代のジャズはもちろんのこと、お気に入りの音源を持ち込み、好きな音楽に身を委ねることができるのだ。

革張りのソファにもたれ、キャンドルの炎を目で愉しみつつ、シングルモルトをストレートで。その空間にふさわしい音楽があることで、酔いはより深く、夜はより甘くふけてゆくに違いない



4室ある個室のうち3室は靴を脱いで寛げるようになっている。リラックスした気持ちで音のシャワーを浴びよう