スマホは個人情報の宝庫 (shutterstock.com)

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 今、突然、自分や家族に死が訪れたら、残された者は何をしたらいいのだろうか? 葬儀の手配などとともに親戚や知人への連絡も急務となるだろう。だが、当人の交友関係は、ほとんどがスマートフォンや携帯電話のアドレス帳のみに残されている。ところが、パスワードがわからず、どうやって知らせたらいいのか......。そんな時代が訪れている。

 スマホを含む携帯電話の加入者数は1億5000万台を超え、PC保有世帯率も約8割(平成26年総務省調べ)。情報機器の普及が進んだ現代において、「デジタル終活」が静かな広がりを見せている。

家族に遺したいもの、見られたくないものを区別

 「デジタル終活」とは、自らの死を迎えるために準備を整える「終活」のデジタル版。スマホやPC利用者が死を迎えた際、こういったデジタル機器を利用した「告知」、機器に内蔵された「データ取り出し」、逆に人に知られたくないものを削除する「データ削除」といったことが主なメニューとなる。

 このような、デジタル終活を支援するサービスも出てきた。たとえば、Yahoo! JAPANが提供する、人生の最期に関連する総合ポータルサービス「Yahoo!エンディング」では、葬儀の見積や手配といったサービスのほかに、デジタル終活を支援する「生前準備」というサービスが用意されている。「生前準備」は、死後に最大200人に個別メッセージが送信可能で、家族や友人などが故人へのメッセージを掲載できる「メモリアルスペース」も用意される。

 ほかには、「Yahoo!ウォレット」の課金停止や、クラウドストレージサービス「Yahoo!ボックス」のデータ削除も行ってくれる。これらのサービスの利用料は、月額最大280円だ。

 終活の際にメインとなるデジタル機器は、特にスマホだろう。この個人情報の宝庫には、アドレス帳やメール、LINEなどコミュニティアプリでのメッセージ、画像、ネット閲覧記録、「お気に入り」などのブックマークなど、遺族には必要なもの、一方で亡くなった本人にとっては知られたくないものという二律背反するデータが残る。

スマホのロック解除はコストと時間がかかる

 まず、遺された家族の立場から見てみよう。故人の親しかった人に連絡したい、どうしてもスマホのアドレス帳が必要という場合、基本的にNTTドコモなどの通信事業者は、個人情報保護などの観点からロック解除を行ってはくれない。

 そういう場合は、ロックを解除してデータを取り出してくれるデータサルベージ業者に依頼するという方法があるが、スマホを送付し、データを取り出すには、10万円以上の費用と1週間以上の日数がかかる。これでは葬儀に間に合わない。

 数年前から高齢者を中心に「エンディングノート」が話題となっている。ここはやはり、ノートなどのアナログツールにロック解除のパスワードを残しておくか、万一の際の通知先をスマホのアドレス帳からプリントアウトしておくのがベターだ。

 一方、家族には見られたくないデータは、スマホの場合はパスワードロックがもっとも有効だ。大切なのは、遺族にとって必要な情報を準備し、アクセスを容易にしておくことだ。業者に依頼してまでこじ開けようという気にさせないためにも、最後はアナログツールに頼り、目に見える形で残しておくことをお勧めする。
(文=編集部)