ユニフォームが破れた清武弘嗣、ピッチへの復帰が遅れた本当のワケ

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12日に行われたシンガポール対日本の2018年ワールドカップアジア2次予選。

相手GKイズワン・マフブードの好守も光ったが、試合は日本が0-3と勝利し見事グループFの単独首位に立っている。

SAMURAI BLUEシンガポールに3-0勝利で首位奪回 〜FIFAワールドカップ予選第5戦〜 SAMURAI BLUE(日本代表)は11月12日、2018 FIFAワールドカップロシア・アジア2次予選第5戦でシンガポールとアウェイで...
Posted by サッカー日本代表 on 2015年11月12日

金崎夢生、本田圭佑、吉田麻也があげたゴールはいずれも素晴らしいものだったが、この試合で最も大きな話題となったのは前半途中に清武弘嗣のユニフォームが大きく裂けてしまったハプニングだろう。

自身の誕生日でもあったこの一戦に先発出場を果たした清武。前半、相手ペナルティエリア付近で相手選手に襟を掴まれ、なんとユニフォームが裂けてしまう。

これによって清武は一時ピッチを離れ新しいユニフォームへの着替えを余儀なくされたのだが、フィールドへの復帰がなかなか認められなかった。清武はすでに新しいユニフォームに着替えていたのだが、一部のファンからは「審判が気付かない」や「早くピッチに入れろ」という意見が目立った。

ユニフォームが破れたシーンも決定機になりかけていただけにファンもイライラを募らせていたのだが、実はこのシーン、主審の判断は正しかったのだ。

FIFAが発行し、日本サッカー協会が翻訳・出版を行っている「サッカー競技規則」の第4条、「競技者の用具」の「違反と罰則」という項には以下のような記載がある。

違反と罰則

本条に関する違反があった場合、

・プレーは、停止される必要はない。

・違反をした競技者は、主審にフィールドから離れて用具を正すように指示される。

・用具を正していなければ、その競技者はボールが次のアウトオブプレーになったとき、フィールドから離れる。
(続)

―「サッカー競技規則」

裂けたユニフォームは「用具の違反」である。

そのため清武はこの規則に則って主審からフィールドを離れるよう指示されたのだ。この時主審はファウルでプレーを止めており、アウトオブプレーでもあった。つまり、このタイミングでピッチを離れたのは全く問題のないことだった。

そして、注意したいのは次の記述だ。

違反と罰則

本条に関する違反があった場合、

(承前)
・用具を正すためにフィールドを離れるように求められた競技者は、主審の承認なくフィールドに復帰してはならない。

・主審は、競技者のフィールドへの復帰を認める前に用具が正されたことを点検する。

・競技者は、 ボールがアウトオブプレーになったときにのみフィールドへの復帰が認められる。

―「サッカー競技規則」

こちらはフィールドの復帰する際の規則である。

「主審の許可が必要」や「用具が正されているかを点検」は当然として、最後の記述にご注目。

そう、「用具の違反」で一度ピッチを離れた選手がフィールドへの復帰が認められるのは、「アウトオブプレー時のみ」であるのだ。

これとよく間違えられるのが、選手が負傷し止血した際の復帰である。「サッカー競技規則」の第5条「主審」の「職権と任務」という項にはこのような記載がある。

主権と任務

・負傷によって出血した競技者を確実にフィールドから離れさせる。その競技者は、 止血を確認した主審の合図を受けてからのみ復帰できる。

―「サッカー競技規則」

つまり、ユニフォームが破れた清武がフィールドに復帰するにはアウトオブプレーになるのを待つしかなかったのだ。清武としてはすぐにピッチに戻りたかったはずだが、これは規則である。よって、「主審が清武に気付かなかった」といった批判は見当違いであったことが分かる。

かつて、桜井和寿とGAKU-MCは「手を出すなそれだけがルール」と歌ったが、やはりサッカーのルールは細かく見ていくと複雑である…。

【外部リンク】日本サッカー協会 - サッカー競技規則(PDF)