「ブラック・ジャック」の高額手術請求額トップ10

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手塚治虫の『BLACK JACK』。無免許外科医ブラック・ジャックとワケあり患者との間で繰り広げられる一話完結型ストーリー。無免許なので保険外診療が基本。タダとか100円とか安上がりで済む一方、富豪からは億単位の治療費を請求することが多い。


今回は高額請求額をTOP10形式で紹介していく(前回は安い請求額TOP10をやった)。査定のルールは以下の通り。
・秋田文庫のBLACK JACK1-17巻に掲載された話が対象。
・お金以外の報酬は対象外(5万ドルの宝石・1000万ドル相当の不死鳥の血など)。
・最終的に依頼主が払わなくても有効。
・1ドル何円か示されていない場合は週刊少年チャンピオン連載当時の対ドル為替レートを参考に円換算する。

ランキングは以下の通りになった



10位 されどいつわりの日々(5巻)2億円


第二のモモエと呼ばれていた桃田善恵さん。交通事故で手足が麻痺してしまった。仕事がキャンセルになればフグプロダクションに5億円の損害が出る。
社長がブラック・ジャックのもとにカゲムシャを連れてきた。依頼内容はカゲムシャを善恵さんとまったく同じ顔に整形すること。しかし、ブラック・ジャックはカゲムシャをセクハラ発言で追い出し、善恵さん本人の手術に乗り出していく。手術料2億円で第10位。

7位 身代わり(6巻)150万ドル(3億円)


依頼された仕事はクロイツェル院長に変装して難病患者の手術をすること。院長が再起不能であることがバレたら跡継ぎ問題でまずいことになる。そこでブラック・ジャックはふっかける。口止め料50万ドル、スタントマン料50万ドル、手術料50万ドルの計150万ドルで仕事が始まった。
『ム…………そうする』
『ム……こりゃあひどい癒着だ…』
院長になりすまして手術は成功。しかし翌日、思わぬ形で失敗を招くことになる。150万ドルを当時の日本円に換算すると約3億円。第7位。

7位 ハリケーン(7巻)100万ドル(3億円)


三百の会社と三千億ドルと三十円のトホウもない大財閥を率いるクロスワードさん。末期のすい臓がんである。
若くて身持ちの悪い奥さんは、クロスワードさんが財産を譲ってくれれば、約束していた報酬額10倍にあたる100万ドルをあげると言いだした。その夜、ハリケーンがやってくる……。100万ドルは連載当時で3億円に相当。第7位にランクイン。

7位 命を生ける(15巻)3億円


依頼主は永湖流生け花の家元・永湖清水さん。娘であるソノさんは、余命1年もつかどうか。家元襲名披露の日のために、一日だけでも人前に出られる体にしてくれという。3億円の報酬で手術成功。ブラック・ジャックは1年後の家元披露祝賀会に姿を現し、3億円をしっかり受け取って去っていった。第7位。

6位 空からきた子ども(3巻)200万ドル(5億8000万円)


ウラン連邦空軍少佐イワン・ユーリイッチ・ガガノフさん。秘密新鋭機のレポールを盗み、ブラック・ジャックを訪ねてくる。息子・アンドレイの心室中隔欠損症を治してほしい。身の回りを整理して200万ドルを用意してきた。
手術後、200万ドルは生活のために残すことを勧める。連載当時では5億8000万円に相当。第6位。

5位 短指症(6巻)500万ドル 8億円


息子が脳腫瘍のゴールドマウントさん。確実に治してくれるとなれば専用機で南極にだって飛んでいく。報酬は500万ドル。ブラック・ジャックの家に息子を入院した夜、マフィアが脅しをかけてきた。
手術は成功。怒ったマフィアをエレクトロニックダンスで撃退した。500万ドルは約8億円にあたると言及しているシーンがあるので第5位。

4位 U-18は知っていた(1巻)300万ドル 10億円


サイバネティクス医療センターで患者の投薬から健康管理、手術まで行っている精密コンピューター・U-18。
『医療センターノ人間ニツゲル ワタシハ病気ダ』
ブラック・ジャック以外の治療は受け付けない、48時間以内に連れてこなければ患者を全員殺すと言い出した。
ブラック・ジャックの請求は300万ドル。機械を相手に『治療』を行った唯一の回。300万ドルが10億円相当だと原作で言及アリ。10億円(経費を入れると4500万〜4800万円上乗せされる)で第4位。

3位 あるスターの死(13巻)500万ドル 14億5000万円


世界的大女優、マリリン・スワンソンさん。30年経った今、すっかり年をとってしまった。美貌を取り戻してもう一度だけ映画に出たい。ブラック・ジャックのもとを訪ね、若返りの全身整形をお願いする。報酬はスワンソンさんが全財産を整理して作った金、500万ドル。手術は成功するが……。
ブラック・ジャックが女優の執念に応える回。連載当時の円単位換算で14億5000万。第3位。

2位 通り魔(8巻)1000万ドル(27億円)


アラスカのミサイル実験場近くで刑事から逃走するブラック・ジャック。謎の連続殺人事件の犯人であると疑われていた。身の潔白を証明するため、事件の真相を追いかけていく。その犯人は……。
請求額は「いままで死んだり傷ついた連中への慰謝料と私の手術代……しめて一千万ドル請求する」。連載当時の円換算で27億円に相当。第2位。

1位 こっぱみじん(11巻)150億円


ある国で泥沼のように続く戦争が終結間近。依頼主は国外へ脱出した大統領夫人。夫に付き添い、重傷を負ったらその場で治してほしい。ブラック・ジャックの提示額は150億円。死んでしまった場合はお金を払わない(ただし、こっぱみじんになって死んでしまった場合は払う)という契約のもと仕事をすることに。第1位。

連載当時の対ドル相場をグラフで表してみた(縦軸は1ドルあたりの円相場)



5位の『短指症』と4位の『U-18は知っていた』はどちらも作中で1ドルあたりの円価格が言及されていた。300万ドルのほうが500万ドルよりも高くなっている。


『短指症』掲載当時のドル円相場は1ドル230円〜240円。作中で示された1ドル160円は1986年12月の相場価格に最も近い。
ちびまる子ちゃんやワカメちゃんが何年経っても小学3年生なのとは対照的に、作中で時間の流れが感じられる。
現在放送中のヤング ブラック・ジャックの時代は1960年代後半。当時の1ドルは360円の固定相場である。作中でドル請求があった場合、それに360を掛けて円換算すれば分かりやすい数字になる。が、暗算しにくい。

(山川悠)