【日本代表コラム】ポジティブな試合

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▽新しいユニフォームに袖を通した選手たちがナショナル・スタジアムのピッチに姿を見せる。しかし、そこにはブンデスリーガで好調を維持する香川真司の姿はなく、プレミアの地で奮闘する岡崎慎司や、J2でプレーしながら、その能力を高く評価されている山口蛍の姿もなかった。その替わりに、センターフォワード、トップ下、ボランチのセンターラインには、金崎夢生、清武弘嗣、柏木陽介の3選手が起用され、ハリルホジッチ体制下での初スタメンを飾った。

▽金崎はボックス内で存在感を示し、チームにとって貴重な先制点を記録。その金崎と良い距離感を保っていた清武も、ボックス近辺に顔を出して攻撃のアクセントとなり、2点目に絡んだ。そして柏木は期待されたビルドアップでチームに息吹を与え、守備の部分でも奮闘した。疲れの残るメンバーを休ませながら、替わりに起用された選手たちが結果を残しての勝利。チームとしての幅を広げつつ、そこに競争意識も生まれる。そういった意味では、理想的な試合だった。

▽もちろん、チャンスの数や試合の流れを考えれば、もっと得点を奪うこともできたはずだ。イージーなミスも多かったが、ピッチコンディションや暑さといった点を考慮すれば、致し方のない部分もある。ただ、レベルの上がる3次(最終)予選などを考えれば、諸手を挙げて喜べるような内容ではなかったことも事実だ。

▽それでも個人的には、この試合の課題だと考えていた攻撃のバリエーション、早い時間帯の得点、初先発組のアピールといった部分をポジティブに評価したい。クオリティの部分はまだまだ改善の余地はあるが、攻撃のバリエーションはこれまでの試合と比べても格段に増えていたし、その引き出しを開けたのは、清武や柏木といった初先発組だった。その結果、20分という比較的早い時間帯にゴールを挙げ、畳み掛けるように加点。ゴールレスドローに終わったホームゲームに比べると、余裕を持って試合を進めることができた。

▽しかし、このまま3次(最終)予選に進出となれば、より厳しい戦いが待ち受けている。そこを見据えつつ、ハリルホジッチ監督には今後も状態の良い選手を起用しながらチームに刺激を与え、メンバー選考や戦い方の幅を広げていってもらいたい。17日のカンボジア代表戦は、おそらく数名のメンバーが入れ替わることだろう。出場機会の少ない選手はもちろんのこと、今回はベンチスタートとなった香川や岡崎の奮起にも期待したい。

《超ワールドサッカー編集部・平野由倫》