消費者の多様なニーズに応えるため、進化を続けるストーブ。とはいえ、どれを選んでいいのか迷ってしまうという人に、家電ジャーナリストの戸井田園子氏が今冬、大きな話題を呼んでいる3つの人気ストーブを紹介してくれた。

 まずは老舗大手が割拠するストーブ商戦に2年前に参入し、たちまち注目を集めるようになったバルミューダの新製品『SmartHeater2』だ。これは「安眠のための暖房」に特化した機能を備える。

 細かな熱調整が難しい電気ストーブだが、同製品は出力を190Wから1300Wまで7段階で制御し、2分おきに細かく調整することができる。

「スリープモードを選び起床時間を設定すると、就寝中の人間の体温変化サイクルに合わせ、自動で室温管理を行ないます。目が覚める1時間前までは眠るのに最も快適とされる15℃に室温を調整、起床時刻に向けて少しずつ室温を上げていくことですっきりした目覚めをサポートします。まさに“安眠のためのストーブ”です。

 古いタイプのオイルヒーターだと1300Wと700Wの切り替えしかなかったりしますが、細かく出力設定できることで電気代の節約にもなります」(戸井田氏)

 さらにスマホアプリ「UniAuto」と組み合わせることで、外出先でも運転開始・停止の操作を行なうこともできる。電気代を節約しながら、玄関を開けたら暖かい部屋が待っている夢のような生活を実現させたのだ。

 サイクロン掃除機で知られるダイソンの『Pure Hot+Cool』も注目度が高い。

「冷風も暖風も発生させることができるので、1年中部屋に置きっ放しにすることが可能です。最新機種ではそこに空気清浄機能が加わりました。これまで温風で暖めるストーブは、埃を舞い散らせるのが弱点でしたが、髪の毛の直径の1000分の1以下の埃まで除去する空気清浄機を搭載することで、部屋の埃そのものを減らし、清潔な温風を送り出します」(同前)

 ダイソンは「風」を操ることで成長してきた企業。掃除機も吸い込む風の流れをコントロールすることで吸引力をアップさせてきた。同社の技術が詰まったストーブなのだ。

 扇風機を発祥とするストーブのため、首振りの自由度が高く、手元や足下などピンポイントで暖める用途にも適している。

 最後に紹介するのが、オイルヒーターの出荷台数で国内80%のシェアを占めるデロンギが「第3のヒーター」として開発した電気ストーブ『MD HEATER』だ。

「デザインはオイルヒーターと似ていますが、オイルは使っていません。5つの独立したヒーターモジュールの発熱状態を、部屋の温度変化に合わせてきめ細かく制御する『オートアダプティブテクノロジー』がこの商品のウリで、設定温度に対して±0.5℃という高い精度での温度コントロールを可能にしています。

 オイルヒーターは立ち上がりが遅いという弱点がありましたが、『MD HEATER』は、スピーディーに部屋全体を暖めることができます」(同前)

 冬の暖房器具は、夏の冷房器具と比べると選択肢は多い。進化を遂げたストーブを自分のニーズに合うように上手に使えば、この冬は快適な生活を送ることができるはず。

※週刊ポスト2015年11月20日号