10月末に閉幕した「ラグビーワールドカップ(W杯)2015」の余韻がまだ残るなか、いよいよ11月13日から「ジャパンラグビートップリーグ」が開幕する。世界を驚かせた"桜の戦士たち"が、今度はライバル同士となって激突。また、今季はW杯で華々しい活躍を見せた他国代表の外国人選手も多く加入しており、第1節から見逃せないカードが目白押しだ。

 それでは開幕戦の対戦カードと、各チームの見どころを紹介していこう。

【11月13日(金) 19:00 東京・秩父宮ラグビー場】
※カッコ内は日本代表2015W杯選出メンバー
パナソニックワイルドナイツ [昨季1位]
(堀江翔太、稲垣啓太、ホラニ 龍コリニアシ、田中史朗、山田章仁)
vs.
サントリーサンゴリアス [昨季5位]
(ツイ ヘンドリック、畠山健介、真壁伸弥、小野晃征、日和佐篤、松島幸太朗)

 ともにトップリーグ優勝3回を誇り、日本代表選手が多数在籍する強豪同士の対決は、今季の開幕を飾るにふさわしいカードだ。名将ロビー・ディーンズ・ヘッドコーチ(HC)のもと、SH(スクラムハーフ)田中史朗やHO(フッカー)堀江翔太を中心とするパナソニックは、W杯サモア戦でトライを奪ったWTB(ウイング)山田章仁らバックス陣も充実しており、磐石の体制でリーグ3連覇にチャレンジする。一方、トップリーグ最多となる6名の日本代表を輩出したサントリーは、昨季5位と不本意な成績に終わった。だが、「アグレッシブ・アタッキング・ラグビー」を掲げ、キャプテンのLO(ロック)真壁伸弥やSO(スタンドオフ)小野晃征、WTB松島幸太朗などの代表組を中心に、今季こそ王座奪還を狙う。

【11月14日(土) 11:40 東京・秩父宮ラグビー場】
リコーブラックラムズ [昨季9位]
(マイケル・ブロードハースト)
vs.
NTTコミュニケーションズシャイニングアークス [昨季8位]
(アマナキ・レレィ・マフィ)

 昨季9位の古豪リコーと、昨シーズン初のベスト8と躍進したNTTコムには、それぞれ外国出身の日本代表選手が所属する。今年のW杯で全試合に出場した"仕事人"FL(フランカー)マイケル・ブロードハーストと、その破壊力で一気に注目を集めたNo.8(ナンバーエイト)アマナキ・レレィ・マフィの対決は見ものだ。近年、調子を上げている両チームだけに、プレーオフ圏内のベスト8入りするためには落とせない開幕戦だろう。また、リコーには日本と対戦したサモア代表のFB(フルバック)ティム・ナナイ・ウィリアムズも加入しているので注目したい。

【11月14日(土) 11:40 愛知・パロマ瑞穂ラグビー場】
豊田自動織機シャトルズ [昨季15位]
vs.
NECグリーンロケッツ [昨季10位]
(田村優)

 セブンズ日本代表のWTB坂井克行やWTB松井謙斗といった若い力と、エディー・ジャパンで研鑽を積んだPR長江有祐、2007年W杯で活躍したSO/CTB大西将太郎のベテランらが交じり合う豊田自動織機。さまざまな世代をうまく融合させることで、上位チームを脅かしたいところだ。NECはSO/WTB田村優や2011年のW杯に出場したSO/FBウェブ将武、元オーストラリア代表SOサム・ノートンナイトなどチームの司令塔たちが躍進のカギを握っている。

【11月14日(土) 12:00 大阪・花園ラグビー場】
NTTドコモレッドハリケーンズ [昨季11位]
vs.
コカ・コーラレッドスパークス [昨季14位]

地元で初戦を戦うNTTドコモは今季、南アフリカ代表SOハンドレ・ポラード、LOエベン・エツベス、オーストラリア代表FB/WTBイズラエル・フォラウと、W杯で大活躍した世界的名選手を補強し、一気に上位進出を狙う。また、昨季10トライのWTB渡辺義己の決定力も武器となる。五郎丸歩の兄・HO五郎丸亮が所属するコカ・コーラは、九州のチームとして唯一トップリーグを戦う意地を見せられるか。エディー・ジャパンにも在籍したHO有田隆平や、男子7人制の日本代表主将でもあるLO/FL桑水流裕策など、チームの勝利に徹する仕事人たちを軸に開幕ダッシュを狙いたい。

【11月14日(土) 14:00 東京・秩父宮ラグビー場】
東芝ブレイブルーパス [昨季3位タイ]
(リーチ マイケル、大野均、三上正貴、湯原祐希、廣瀬俊朗)
vs.
クボタスピアーズ [昨季13位]
(立川理道)

 日本代表キャプテンのFLリーチ マイケルやベテランLO大野均らを擁する東芝は、トップリーグ優勝5回を誇る名門。過去12年間、唯一ベスト4に入り続けている強豪チームだ。ただ、ここ5シーズンは優勝から遠ざかっており、今季こそ頂点に立ちたいところ。一方のクボタには、エディー・ジャパンの司令塔として活躍したSO/CTB(センター)立川理道が所属している。昨季13位と不本意な成績に終わってしまったが、理道の兄であるキャプテンHO立川直道とともに上位進出を狙う。

【11月14日(土) 14:00 愛知・パロマ瑞穂ラグビー場】
トヨタ自動車ヴェルブリッツ [昨季6位]
vs.
ヤマハ発動機ジュビロ [昨季2位]
(五郎丸歩、マレ・サウ)

 W杯で一躍スターダムにのし上がったFB五郎丸歩が所属するヤマハ発動機は、開幕戦でトヨタ自動車と対戦する。W杯後の公式戦で初めて五郎丸のプレースキックが見られるチャンスとあって、すでにチケットは完売という最注目カードとなっている。名将・清宮克幸が率いるヤマハ発動機は、昨年度の日本選手権で初優勝。その勢いを持続させたまま、昨季準優勝に終わったトップリーグでの初制覇にチャレンジする。ヤマハに挑むトヨタ自動車は、持ち味のフィジカルラグビーが大きな魅力だ。円熟味を増してきたSO文字隆也のゲームコントロール、そしてナミビア代表のFLレナルド・ボスマや、セブンズ日本代表経験のあるWTB小原政佑ら新戦力にも期待大。

【11月14日(土) 14:05 大阪・花園ラグビー場】
近鉄ライナーズ [昨季12位]
(トンプソン ルーク)
vs.
ホンダヒート [昇格組]

 ホームで開幕戦となる近鉄は、4シーズンぶりにトップリーグに昇格したホンダを迎え撃つ。日本代表でも激しいタックルやセットプレーで気を吐いたLOトンプソン ルークが、今季もチームのために献身的なプレーを見せてくれるはずだ。また、南アフリカ代表としてW杯で活躍したCTBダミアン・デアリエンディの突破力もチームに勢いを与えてくれるだろう。チャレンジャーのホンダは元オーストラリア代表のふたり、LO/FLヒュー・マクメニマン、WTB/CTBディグビー・イオアネらの激しいプレーで対抗したい。

【11月15日(日) 13:00 兵庫・神戸総合運動公園ユニバー記念競技場】
神戸製鋼コベルコスティーラーズ [昨季3位タイ]
(伊藤鐘史、木津武士、山下裕史、クレイグ・ウィング)
vs.
キヤノンイーグルス [昨季7位]
(アイブス ジャスティン)

 4人のワールドカップ出場選手を擁する神戸製鋼。南アフリカ出身のアリスター・クッツェー新HCの初陣は、ホームでキヤノンと対戦する。圧倒したいところだが、対するキヤノンも同じく日本代表LO/FLアイブス ジャスティンに加え、No.8菊谷崇やWTB小野澤宏時といった元日本代表のベテランが控えているため、簡単には勝たせてくれないだろう。2003年以来2度目の優勝を果たすためにも、神戸製鋼の開幕戦は重要な意味を持つ。

 以上、開幕カード8試合を皮切りに、計16チームがふたつのグループに分かれ、12月26日までリーグ戦を行なう。その後、来年1月9日から各グループの上位4チームが出場する「LIXIL CUP 2016(1位〜8位決定トーナメント)」と、各グループの下位4チームの「9位〜16位決定トーナメント」が開催される。

【グループA】
NTTコミュニケーションズ、近鉄、クボタ、サントリー、東芝、パナソニック、ホンダ、リコー
【グループB】
NEC、NTTドコモ、キヤノン、神戸製鋼、コカ・コーラ、トヨタ自動車、豊田自動織機、ヤマハ発動機

 そして、トップリーグのファイナルは1月24日。LIXIL CUPの決勝戦にて、今季の王者が決定する。はたして、その栄冠を手にするのはどのチームか――。

斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji