新「ルパン三世」6話「あんたを守るためにやってきた」銭形警部が渋い

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30年ぶりのTV新シリーズ『ルパン三世』第6話は、銭形警部をフィーチャーしたエピソード「満月が過ぎるまで」。


病死したメディア王、ロベルト・ゴッティは莫大な隠し財産を残していた。それを受け継いでいるのが若く美しい未亡人、エレナ。世界中の悪党が、隠し財宝を狙ってエレナに接近しようとしていた。

今回のルパンのターゲットも、その隠し財産だ。久々にルパンが盗みをやる気になってくれた様子である。ルパンからエレナと財宝を守るため、やってきたのがご存知、銭形警部。ルパン逮捕に誰よりも情熱を燃やす終生のライバルだ。

ルパンはエレナに変装した不二子を使って銭形を騙そうとするが、銭形の推理によって見破られる。また、エレナも銭形を利用して隠し財産を守ろうとするが、エレナの危機を察知した銭形が隠し財産(巨大な金塊のタワー!)の前に現れたルパンたちの前に立ちはだかり、これを撃退する。

結局、ルパンは盗みを果たせず、財産を世の中のために使おうとするエレナを遠くから見守った銭形はその場から去る。盗んだものを取り返されることはあっても、ルパンがこのようにターゲットに指一本触れられないことは非常に珍しい。

かつて銭形警部と若き未亡人の大ロマンスがあった!



今シリーズの大きな特徴の一つとして、これまでコメディリリーフ的な扱いを受けることが多かった銭形警部をシリアスなキャラクターに回帰させたことにある。第6話を見た視聴者からも、

「新作ルパンの銭形警部かっこ良すぎる…」
「誠実な正義を通す銭形のかっこ良さと有能がたまらん…」

などという感想が出てきている。

TV第1シリーズでは2度にわたってルパンを逮捕し、ルパンもその姿を察知するだけで逃げ出すほどの敏腕警部だったが、TV第2シリーズ以降は悪党とルパンとの戦いの中で、ストーリーを賑やかすだけの存在になっていた銭形警部。

しかし、今回もストーリーを追っていくと騙されてばかりの銭形警部なのだが、まったくめげることなく職務を遂行する。エレナと財宝を守り、ルパン逮捕にまい進するのだ。

「ICPOの銭形だ。あんたを守るためやってきた」
「目の前に泣いている女がいる。それだけじゃダメか?」

2011年より納谷悟朗から銭形警部役を受け継いだ山寺宏一の演技は、ひたすら渋く、ハードボイルドに徹している。スタッフからは、何度となく「TV第1シリーズへの回帰」が語られているが、銭形警部の優秀さ、ハードボイルドさ加減にその意思が表れていると見ていいだろう。

ちなみに、銭形警部と若き未亡人という筋立ては、TV第2シリーズ第69話「とっつぁんの惚れた女」が下敷きになっていると思われる。

マフィアに狙われた若き未亡人ローラに恋してしまった銭形警部は、手に手をとりあって過酷な逃避行を続け、ついに「奥さんなんてイヤ! ローラと呼んで!」と抱きつかれてしまうという大ロマンスを繰り広げる。

今回は銭形警部と未亡人エレナのロマンスに発展しそうな予感をさせておいて、途中からまったく違う展開になるのだが、この69話を意識したトリックとも言えるだろう。

「とっつぁんの惚れた女」では、コミカルな面も強かった銭形警部だが、物語の終盤でマフィアの凶弾に倒れたローラを抱え、風の吹きすさぶ荒野を一人歩く姿はたまらなくカッコ良かった。

今回の銭形警部も前述のリアクションのとおり、視聴者にカッコ良さは伝わっているのだが、個人的にはもう少し泥にまみれさせてもよかったのではないかと思っている。そういう意味では、次元の4話、不二子の5話、銭形警部の6話と、まだまだウォーミングアップのキャラクター紹介編が続いているのかもしれない。

さて、今夜放送の第7話は、MI:6のエージェント、ニクスが久々に登場。犯罪組織に娘を誘拐され、怒りに燃えるニクスとルパンたちがどのように絡むのか? タイトルは「ザッピングオペレーション」。チャンネルは決まったぜ。
(大山くまお)