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日々の収入を得るために身も心も擦り減らすのはもういやだ。金が転がり込む仕組みをつくれば人生をもっと豊かに生きられる。

■物件を買う資金は“価格差”で稼いだ

竹内かなとさんは31歳にして15戸の賃貸物件を所有している。

「大学在籍時に“自分にはサラリーマンは無理”と悟り、就職せずに生きていける道を探しました。そんなとき『金持ち父さん 貧乏父さん』(ロバート・キヨサキ著)に出合い、親友と会社をつくり、不動産経営をやることに決めたんです」(竹内さん)

が、大学を出たばかりの若者に不動産を買う金はない。そこで手始めに、身の回りの不用品をネットオークションの「ヤフオク」で売ることにした。最初は趣味のバイク部品などを売っていたが、すぐに売るモノがなくなった。

「それなら、よく売れるモノを仕入れようと『人気のオークション』を見たら、“アーシングケーブル”というのが1メートル3000円で飛ぶように売れていたんです。試しに買ったら、両端に端子の付いたケーブルが届きました」(同)

車載オーディオの音質を向上させるアース線ということだったが、大阪・日本橋の電気店に持ち込んでメーカーを特定。直接問い合わせたところ、なんと50メートル1万6000円(1メートルあたり320円)であるという。

「これを切断して、端子を付け、出品すればいいだけです。ひたすら2年間、寝る間も惜しんで切りまくりました。気が付けば売り上げ2億円、手元には約2000万円の現金が残っていました」(同)

不動産もオークションで

いよいよ、本来の目標だった不動産投資を始めることにしたが、竹内さんが目をつけたのは初心者には難しいとされる競売物件だった。

「後になっていろんな人から“いきなり競売物件とは度胸あるな”と言われて(難しいイメージがあることを)知ったんですが、もともと僕らは主戦場がヤフオクでしたから“オークションならいいものが安く買える”としか考えていなかった。いままで特にトラブルなどもなかったです」(同)

いまどきの競売はネットで情報が公開されており、直接現地に赴いて下見をすることもできる。中には「難物件」と言って、傾いていたりいわゆる“ゴミ屋敷”だったりするものもあるが、「僕らはそれが解決可能な問題で、そのぶん安ければ問題ないと考えます。要は、清掃やリフォームに費用をかけても、それで借り手がついて利益が出ればいいんです。むしろ、そのような物件は業者が入札を敬遠するので、ライバルが減って僕らにはかえって好都合なんです」(同)

これまでに竹内さんが落札・購入してきた物件の一覧(表参照)を見ると、すでに売却したものもあるが、100万〜400万円の手頃な一戸建てがほとんどだ。

■5年でモトを取る実質利回り21%

さらに驚くべきは、利回りだ。現在賃貸中の15物件は平均21%、これは手数料、税金、リフォーム代などをすべて含めた「実質利回り」であることも強調しておきたい。

「それは、周辺の家賃相場を参考に月々いくらなら確実に借り手がつくかを考えて、5年で投資資金を回収できる額で入札しているからです。転売を狙うプロは利ザヤが少ない数百万円の物件は狙わないし、賃貸経営でも戸建てを一戸ずつチマチマ買う人は少なく、あまり競り合いになりません」(同)

不動産経営につきものの空室リスクについても、一戸建てだといったん借り手がつくと5年くらいは継続して住んでくれる。

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竹内かなと(31歳)
大学在籍時に、賃貸経営で身を立てることを決意。高校時代の同級生“シマダくん”と共に競売物件を買い集め、現在までに20戸を落札。著書に『働かずに年収333万円を手に入れて「幸せ」に暮らそう!』(ごま書房新社)。

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(渡辺一朗=編集・構成  PIXTA=写真)