「きき豚」で出された「米の娘ぶた」生産者、大商金山牧場の矢口一寿さんと、マスコットの米の娘ちゃん

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国産農林水産物の消費拡大を推進するフード・アクション・ニッポン推進本部事務局は、"国産食材の味の違いを体感"する「"国産"食べ比べの会〜きき豚・きき芋・ききトマ・ききグルト〜」を開催した。国内の消費者ともども、外国のメディアにも日本の食の豊かさを発見してもらうのが狙いだ。"食の日本代表"が集結し、展示・販売される農林水産省主催の見本市「JAPAN HARVEST(ジャパン・ハーヴェスト) 2015」の開催日である2015年11月7日に東京・丸の内で行った。

各3つずつの食材が全国から集結

イベントには、豚肉、サツマイモ、トマト、ヨーグルトが3種類ずつ、全12食材が集合。それぞれの生産者が自身の生産品をアピールし、「うまいもん甲子園」決勝進出の高校生や、農林水産分野の専攻か、あるいは、食にこだわりの強い学生ら、さらに外国メディアのスタッフと、料理人、シェフらがそれらを食べ比べた。

まずは豚肉は「一貴山(いきさん)豚」(福岡県)、「米の娘ぶた」(山形県)、「薩摩黒豚」(鹿児島県)が登場。参加者は、「どれもおいしいが、3つを食べ比べると、赤身や脂身の量、味わいが全然違うとわかる」「一貴山豚はあっさりしてクセがなく、薩摩黒豚は逆に豚肉っぽい脂の風味があった」とそれぞれの個性を感じていたようだ。

サツマイモは、甘味のある「紅はるか」(鹿児島県)、甘味と水分の多い「安納芋」(鹿児島県)、甘味・水分ともに少なめの「鳴門金時」(徳島県)。焼き芋で出されたが、紅はるかや安納芋を食べた参加者からは「スイートポテトのように甘い」「しっとりして柔らかい」という声が続々。一方、鳴門金時からは「ホクホクしている。てんぷらに合いそう」「懐かしい甘さ」といった感想が聞こえた。こちらも違いを感じられたようだ。

「嗜好品としても楽しめるようにしたい」トマト

「7色のミニトマト」(青森県)は、その名の通り、赤、黄、緑、橙、紫など7色のトマトを生産。今回は生だったが、トマトは海外ではさまざまに調理されるため、ある外国人メディアは「料理によってどう使い分けられるかも知りたい」。「ミニトマト千菓(ちか)」(熊本県)は、「皮が柔らかくて食べやすい」という声が聞かれた。

学生のあるテーブルでは、5人全員が「トマトの中で一番衝撃的だった」として「中玉トマト フルティカ」(新潟県)を挙げた。「果物のような甘さと香りがある」という。トマトジュースも出され、生産者、曽我農園の曽我新一さんは「『健康飲料』というトマトジュースのイメージを変えたい。嗜好品としても楽しめるものにしたい。もちろん栄養価も高い」と、生産にかける思いを語っていた。

ヨーグルトは、日本航空の国際線ファーストクラスの機内食に採用された「伊都物語」(福岡県)、ジャージー牛乳を使った「ジャージーヨーグルト」(宮崎県)などが並ぶ。「生乳100%ヨーグルト」(北海道)は、ヨーグルト生産としては珍しく、酪農から加工までを一貫して行う。そのため、使われる生乳は常に搾りたてだ。生産者のさくら工房、北出愛さんは「消費者には完成品だけが届くが、その奥の"酪農"まで身近に感じてほしい。ヨーグルトを食べてもらうことで、それがどうやって作られるかというところまで関心をもってもらいたい」と思いを述べる。

「どれが一番うまい、ということではない」 個性を大事に

参加者が味の違いを如実に感じられたように、生産者はそれぞれが独自のこだわりを持っていた。また、消費者の反応を直接聞けるのは貴重な機会だったようだ。紅はるかを生産する鹿児島県鹿市の農産物加工会社、オキスの岡本孝志さんは、「ほっくりさせるより、ねっとりと水分量を多く残して焼いたものの方が人気が高かった。焼き方の参考になる」と述べていた。

「食べ比べ」ということについて、米の娘ぶたの生産者、大商金山牧場(山形県酒田市)の矢口一寿さんは、「『どれが一番うまい』ということではない。手法も環境も違うし、お互い認め合えればいい」と、個性を大事にしたい考えだ。参加者も「全部おいしい」という感想のうえで、それぞれの特徴を述べあっていた。矢口さんは、「生産のバックグラウンドまで知ってもらって、商品とともに生産者自身も消費者に愛されることが必要だと思う」と、作り手としての在り方を見据えていた。

フード・アクション・ニッポン推進本部事務局では、今後も国産農林水産物の消費拡大に向けた、様々なイベントや情報発信をしていくという。