公認会計士・税理士の森滋昭氏が解説

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 10月5日、ついにスタートしたマイナンバー制度。同月中旬からは、全国各地でマイナンバー通知カードの配達が開始されるなど、徐々に国民の手に渡りはじめている。

 ただ、マイナンバー制度に関する具体的な内容への理解や認識については、まだまだ浸透していないのも事実だ。そこで、本コラムでは、制度に詳しい専門家が素朴な疑問に対して回答。今回は、公認会計士・税理士の森滋昭氏が解説する。

[質問]
企業はアルバイト従業員のマイナンバーをどのように管理すればいいのでしょう?また、外国人や派遣社員への対応はどうすればよいのでしょうか?

[回答&解説]
 パート・アルバイトの方の場合、正社員とは違い、さまざまな働き方をされています。例えば、正社員のように、ほぼ毎日9時から17時まで働く方から、2〜3日だけの方もいるでしょう。そのため、パート・アルバイトの方については、その働き方に応じて、マイナンバーの取得の要否が異なります。

 まず、パート・アルバイトに必要な手続きを見たうえで、どうすればいいのか考えていきましょう。

■マイナンバーを記載する書類は?

 当初、パート・アルバイトの本人に渡す源泉徴収票にもマイナンバーを記載するとされていましたが、10月2日に改正があり、本人に渡す源泉徴収票には、マイナンバーを記載する必要がなくなりました。

 その結果、マイナンバーを記載する書類は、「図1」の通りとなっています。ただし、マイナンバーの記載時期と、書類の提出要件については、注意をする必要があります。

 基本的には、2016年(平成28年)以降の書類についてはマイナンバーを記載する必要があります。このうち、源泉徴収票と給与支払報告書は、同年の所得が対象となるため、同年末の年末調整と翌年1月末に提出する源泉徴収票等から記載が必要となります。

 つまり、2015年(平成27年)の所得が対象となる今年の年末に行う年末調整、および来年1月末提出分は、記載の必要はありません。また、健康保険・厚生年金は、2017年(平成29年)1月以降提出分からとなります。

 マイナンバーを記載する書類について、所轄官庁へ提出する義務がなければ、マイナンバーを取得する必要がありません。ただ、書類ごとに提出要件が異なるため、それぞれの提出条件について見ていきましょう。

 税務署へ提出する源泉徴収票と、各市区町村へ提出する給与支払報告書では、提出する要件が異なります(「図2」参照)。源泉徴収票については、年末調整の有無や所得金額により要件も変わってきます。

 一方、給与支払報告書は、翌年1月1日時点で在籍している方全員の給与支払報告書を、住所のある各市区町村へ提出します。

 例えば、2016年分(マイナンバーを最初に記載する年)の場合、
同年の収入に対して、翌2017年1月1日時点で在籍しているパート・アルバイトの方は2018年1月31日までに、住所のある各市区町村へ提出することになります。

 なお、パート・アルバイトの方が社会保険と雇用保険に加入する義務があるかどうかは、それぞれの条件に基づき判断します(「図3」参照)。

■企業側はどのような基準でマイナンバーを取得するのか?

 マイナンバーを取得するかどうかの判断は、提出書類によって条件が異なるため、会社として、どのような基準でマイナンバーを取得すればよいのか、悩むところです。そこで、各書類のうち、給与支払報告書の対象が最も幅広いため、この条件を基準に考えるのが現実的といえます。

 給与支払報告書は、翌年1月1日に在籍しているパート・アルバイを含む全員と、年の途中で退職し、会社からの所得が30万円超の方が対象者となっています。まず、「翌年1月1日に在籍している全員」という条件から、継続して働く方を対象とすればよいでしょう。問題は、年の途中に退職される方の扱いです。