皿を数えながら野菜を食べる?

写真拡大

厚生労働省は毎年9月を「健康増進普及月間」とし、さまざまな健康増進や生活改善をアピールしている。2015年は食生活改善をテーマに「毎日プラス1皿の野菜」として、野菜の摂取を70〜80グラム増やすよう訴えた。

もはや「野菜不足」は当たり前のようなイメージだが、どうすればよいのだろうか。

野菜の健康効果は大きい

「野菜不足」は昔から言われているが、なぜ野菜不足解消が重要なのか。ビタミンやミネラル、食物繊維など栄養素をとるために欠かせないのはもちろんだが、栄養の補給だけではなく、疾患の予防の面からも野菜が重要であることを示すエビデンス(科学的な証拠)が複数ある。

がんは2007年に世界がん研究基金が、7000件の論文をもとに、がん発症リスクを下げるには1日400グラム以上の野菜摂取が必要としている。心疾患や脳血管疾患でも、2007年に東北大学が、2008年には国立がん研究センターが、それぞれ約4万人を7〜8年追跡調査し、十分な量の野菜と大豆製品や魚、海藻、果物をバランスよくとることで発症リスクを抑えるとした研究を発表している。

また、具体的な研究ではないが、都道府県別の平均寿命で20位以下だった長野県が、40年前から減塩や野菜摂取量増加といった食生活改善運動に取り組み、今では1位となっているという事実も見逃せない。

この他にも高血圧や肥満など、野菜摂取によってリスクが抑えられるとされている。野菜だけを食べて入ればいいわけではないが、野菜不足解消による健康効果が大きいことはわかる。

では、今現在、どの程度足りていないのか。厚労省の「平成25年国民健康・栄養調査」によると、日本人の1日の野菜摂取量は約270グラム。70〜80グラム増やせば、厚労省が目標としている1日350グラム以上には届く。ただし、年齢別の摂取量で見ると20代は233グラム、30代は249グラムと、100グラム以上不足している。一方、60代以上は300グラム以上を摂取している。誰もがプラス1皿で十分というわけではなさそうだ。

野菜ジュースは野菜代わりになる?

必要な摂取量はわかっていても、自分の食べた野菜の量が何グラムだったかはなかなか把握できない。そこで、目安となるのが「日本人の食事摂取基準(2015 年版)」(厚労省)や「食事バランスガイド」(農林水産省)などで示されている「1日5サービング(サーブ)」だ。「サービング」は食事の提供量のことで、摂取したい材料が主体となった1皿を1サービングと換算するもの。

例えば「野菜サラダ」や「ほうれんそうのおひたし」「煮豆」「(野菜が多い)味噌汁」などは1サービング。「野菜の煮物」や「野菜炒め」「芋の煮っころがし」は2サービングとみなす。

料理でとる代わりに野菜ジュースで、という人も多いかもしれないが、野菜ジュースは1パック(200ミリリットル)で1サービングとされており、「1本飲んだから大丈夫」というものではない。では5本飲めばと考えたいが、大量に飲むのも推奨されない。果物が入った製品では糖分のとり過ぎになりやすく、野菜ジュース全般に含まれる栄養素が、βカロテンに偏りがちな傾向があるためだ。

たまには野菜ジュースも問題ないが、なるべく青果の野菜をバランスよくとりたい。[監修:山田秀和 近畿大学医学部 奈良病院皮膚科教授、近畿大学アンチエイジングセンター 副センター長]

(Aging Style)