世界中が注目するアメリカの利上げは、10月27〜28日に開かれたFOMC(連邦公開市場委員会)でも見送りとなった。アメリカの政策金利は2008年以来、事実上のゼロ金利が続いており、金利を上げる金融政策の変更は世界中の為替や株式市場に大きな影響を及ぼす。そこで注目を集めるのが、次回(12月15〜16日)のFOMCで利上げが発表されるか否かだ。

「12月の利上げが濃厚になった」と見るのは、カブ知恵代表の藤井英敏氏だ。

「上海株式市場が急落しない限りは利上げに向かうと見ています。市場関係者の多くは『年内の利上げはない』と後ズレを織り込んでいるので、FRB(連邦準備制度理事会)がサプライズを狙う意味でも、その可能性は高まっている」

 それを見定めるサインはどのようなものか。

「マーケットは事前に織り込みますから、次のFOMC前に株価が下がっていれば利上げ、下がっていなければ見送りの可能性が高まっていると見ることもできます」(藤井氏)

 利上げ後は、金利が上昇した米ドルに買いが集中すると予想され、「1ドル=125円くらいまで円安が進み、日経平均株価も2万円を超える展開が予想されます。そうなると個別銘柄よりも、日経平均の2倍の値動きをするNEXT FUNDS日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(1570)で値幅を取りに行った方が手っ取り早い」と藤井氏はアドバイスする。

 グローバルリンクアドバイザーズ代表の戸松信博氏も条件付きで「12月説」を唱える。

「利上げは株価次第。米国株が年初来高値を更新しているのが最低条件。株価が軟調なら、どれほど経済指標がよくても見送られるでしょう。

 そうなった場合でも、米国株は例年、5月以降に下がる傾向があるので、来年4月までのどこかで利上げとなる可能性は高いと見ています」

 利上げ後は一時的に株価は下がるが、そもそも利上げはアメリカの景気回復を意味する。やがてそれも克服し、円安による株価の再上昇が期待できると戸松氏はいう。

「海外売上高比率の高い円安メリット銘柄の中でも業績などのいいシマノ(7309)やアルプス電気(6770)、富士重工業(7270)、ヤマハ発動機(7272)などを調整局面で仕込んでおくといいでしょう」

 一方、経済アナリストの豊島逸夫氏は「12月説」を否定する。

「中国をはじめ世界経済の減速傾向がある中、自らの首を絞めるような利上げはできない。FRBには利上げをして異常なゼロ金利状態から脱し、金融政策の自由度を確保したいという中央銀行のプライドがあるが、それを率いるイエレン議長は優秀なエコノミストであっても肝心の決断ができない。

 決断を下すためには、減少したアメリカの新規雇用者数が20万人を上回る状況が再び2〜3か月維持され、設備投資や消費マインドに持続的回復基調が見られたりすることが重要で、早くても来年3月辺りが妥当な線でしょう」

 そしてこう警鐘を鳴らす。

「日米欧がこぞって金融緩和することで『流動性パーティ』ともいうべきマネーのお祭り騒ぎが続いてきましたが、中締めも視野に入る。個人投資家もあまり欲を出さずに、できるだけパーティ会場の出口に近いところに陣取っておくべきです」

※週刊ポスト2015年11月13日号