好調な視聴率をキープしている池井戸潤原作の『下町ロケット』(TBS、毎週日曜夜9時〜)。11月1日放送の第3話では、佃製作所が特許をもつバルブシステムに関する戦いが繰り広げられる。


ロケット開発事業「スターダスト計画」を100%内製で成功させようと意気込む大手企業・帝国重工。しかし肝心のバルブシステムの特許取得について、しがない中小企業である佃製作所に先を越されていた。経営不振にあえぐ佃製作所に対し、20億円で特許を買い取ると持ちかける帝国重工。しかし佃製作所は主力商品であるステラエンジンの特許をめぐってこちらも大手のナカシマ工業に対して訴訟を起こしており、結果56億もの和解金を獲得。目先の20億にはつられない状況になってしまった佃に、妥協して「特許使用契約」まで譲歩する帝国重工の担当・財前(吉川晃司)。ところが、佃製作所の社長・佃航平(阿部寛)は「特許使用契約ではなく、部品供給をさせてほしい」と持ちかける……。


佃製作所へようこそ


100%内製によるロケット事業をめざす帝国重工。佃製作所による「部品供給」を受け入れれば、バルブシステムの部分を外注することとなる。それはさすがに受け入れられないと、財前は時間を置いて「検討したが無理だった」と断るという作戦を実行。その時点でかなり苦しまぎれの行動に見えなくもないが、ともかく財前は部品供給を断るために佃製作所へと出かけてゆく。「実は今日うかがったのは…」と財前が話し始めるやいなや、「社内、見ますか?」とかぶせるように言い出す佃。思いがけない提案にキョトン顔の財前。早くも佃による先制だ。佃VS帝国の対決がここにはじまる!


町工場らしいなごやかな会話に面食らう財前・吉川


さて、勢いに押されるようにして佃の事業所を案内される財前。まずは金庫番・殿村(立川談春)の紹介。佃の「うちの金庫は彼が一人で牛耳ってます」という説明に殿村が「ちょっと社長、本気にされるじゃないですか!」と慌てるという、いかにも町工場らしい和気あいあいとしたやり取りで財前の調子を狂わせる。


「今日うかがったのはこういうことではない」という財前にすかさず「ええわかってます、生産部門が重要ですよね」とまたもや聞いているようで全く聞いていない答えを返す佃。ここまで来ると佃はわざと相手の話を聞かないのではないかと思えてくる。
生産部門では「昨日はごちそうさまでした!」と笑う社員。佃の「楽しいか?」という問いかけに「はい!」とハキハキ応える若手。財前は、小さな工場を経営していた父親を思い浮かべる。夢を追い求めるあまりどんどん社員が離れて行った父親の姿を……。


クリーンルーム クラス5は雲の上


開発部リーダーの山崎(安田顕)から開発部内にあるクリーンルームのクラスが5と聞き、驚く財前。ちなみにこのクラス5とは、「1平方メートル中に含まれる0.1ミクロン以上の微粒子数が100,000個以下のレベル」だそう。ドラマでは「室内の空気浮遊粉塵の清浄度が、雲の上ほどのレベルを表す」という説明が出たが、この「雲の上」は比喩ではなく、おそらく実際の場所のことだろう。この中小企業にしては高レベルの環境について、「私の失敗から学んだことですけどね」というウィットに富んだコメントを付け加えるのも忘れない佃。佃はかつてロケット事業に関わり、発射失敗の原因をつくったとされているからだ。
開発部は佃の思いに同調する者と、ノーリスクで金を獲得できる特許使用契約を支持する者とでまっぷたつに分かれていた。手作業によるバルブシステムの試作品を財前の目の前で作ってみせる段になって、佃は部品供給に反対していた真野(山崎育三郎)に作業を頼む。ここで、即答しない真野に対し佃と山崎は「じゃあ俺がやる」「俺だって」と言い募り、「……私がやります」という言葉を引き出す。まさかのダチョウ倶楽部システムが突然こんなところに放り込まれるとは! しかも真野の「やります」の言葉を聞いた二人は「どうぞ」「どうぞ」と言うのだ。


果たして、部品供給は無事受け入れられるのか。真野ら、部品供給反対派の真野は心がわりしたのか? 『下町ロケット』第4話は今夜!


(釣木文恵)