大橋巨泉の2度目の発症は中咽頭がんだった。物が飲み込みにくいなどの症状の他に、右耳の下に違和感があり、東京・築地の国立がんセンターを受診すると、中咽頭がんが見つかった。しかも、扁桃腺をはじめ付近のリンパ線の7個以上に転移しており、がんはかなり進行した状態だった。
 最初の胃がん手術から8年後(2013年)のことだ。ステージ4(5年生存率40%)と推察されたが、手術と放射線治療という前向きな治療がとられたことで、何とか乗り切った。しかし、がんの転移はそれに留まらず、今年4月、今度は中咽頭がんから転移した肺がんを宣告された。
 「がんステージを診断する際、どの器官に転移が認められたかも重要ですが、一つの所見では、より遠い部位に転移するほど重症とされます」(久富院長)

 がんの転移について、ある専門家は“種と土壌説”を唱えている。植物の種をまいても、それに適した土壌でないと育たない。がん(種)も種類によって、定着しやすい臓器(土壌)と、増殖しやすい臓器があり、親和性が低ければ転移しないというのだ。

 では、がん体質にならないためにはどうすべきか。
 「がんにならないためには、何よりも普段の食生活に注意が必要です」
 管理栄養士で料理研究家の林泰子氏は、そう語る。食の観点からの注意点とアドバイスを伺った。

〈がんになりやすい食生活とは?〉
 (1) 食べ物の中に発がん性物質があることを知ろう。調理中に発がん物質ができる「焼き焦げ」などは注意する。
 (2) 食べ物の中にはビタミンAとC、Eなど、がんを抑える物質がある。女性ホルモンE2βなどの欠如は、免疫力機能の低下につながるので注意。

 がんと関連する食材について、林氏に具体例を挙げてもらった。
 「がん体質にならないためには、とにかく食事に注意。例えば、山菜料理は自然で健康に良いと言われますが、すべてが安全ではありません。ワラビ、ふきのとう、ミョウガなどには、強力な発がん物質が含まれており、風味があって好きな人にはこたえられないが、食べ続けると危険です」

 あくまで食べ過ぎに対する警鐘だが、意外な食材に発がん物質が含まれているようだ。林氏は続ける。
 「ニンニクは強壮剤として役に立ちますが、焼いて焦がすと発がん物質が検出される。ホウレンソウ、白菜、小松菜、大根などは、亜硝酸を含むため発がん性もあるが、微量なので心配なし。化学肥料を使っていない、家庭菜園などの野菜なら安心でしょう。あとは焼いたり燻製にする食品は、発がん物質が検出されることがあります」

 いずれにしても、自分の身は自分で守ること。体の不調を感じたら、医療機関を受診して必要な知識を身に付けることが大事である。