「2度あることは3度ある」などと言ってはいられない。タレントの大橋巨泉(81)は、すでに胃がんと中咽頭がんの手術をしているが、今度は右肺に新たながんが見つかり、今春に手術を受けたという。経過は順調と聞くが、手術前は「このがんがヤバければ、今年中に死ぬかも…」と、思い悩んでいたらしい。
 がんというと“転移”や“再発”が恐れられる。著名人では、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏(75)が65歳で直腸がんを患い、その後に肺と肝臓に転移した。アナウンサーの大塚範一氏(66)も、再発した白血病に苦しんでいる。女優の樹木希林に至っては“全身がん”を公表しているが、今なお「命が尽きるまで…」とテレビや舞台で活躍している。

 厚労省の日本における『がんに関する統計』(2007年)によると、人口の総数のうち継続的な治療を受けている人は152万人。この中で男性は34.2%(20万2743人)、女性も25.9%(13万3725人)が亡くなっている。
 がん患者を部位別に見ると、男性は1位・胃がん、2位・大腸がん、3位・肺がん、4位・前立腺がん、5位・肝臓がんの順。これに対して女性は1位・乳がん、2位・大腸がん、3位・胃がん、4位・子宮がん、5位・肺がんである(国立がんセンターがん対策情報センター調査)。

 国立病院機構東京医療センターの総合内科(循環器内科)で、診療を行う外来担当医はこう説明する。
 「人の体には40兆あまりの細胞があります。それが必要に応じて生まれ変わり、細胞内のDNAも修復されているのですが、傷ついたDNAの修復がうまくいかずに変異し、その細胞が増殖するとがんになります」

 医療技術の発達とともに、がんは治る病気であるとも言われているが、やはり亡くなる人は後を絶たない。同医師が続ける。
 「がんの原因でよく聞かれるのは“遺伝”ですが、実はそれ以上に、体質や性格が影響を及ぼしています。現在は、こういった見解が主流を占めているのですが、患者さんでも意外にご存じない方が多い」

 同医師によれば、がんの原因となる“不良品の細胞”は、ストレスによって発生するという。なぜなら、過度のストレスを感じると交感神経が興奮し、活性酸素を放出するからだ。この活性酸素こそが強い酸化力で細胞を傷つけ、遺伝子にダメージを与えると考えられている。
 「胃がんは塩分の摂取、大腸がんと前立腺がんは脂肪分の摂取が多い人に発症しやすい。食習慣は、同じ環境で育った家族で共有されるため、家族と離れて暮らしても受け継がれます。ある家系にがん患者が相次ぐのは、食事や飲酒、喫煙などの生活習慣が強く影響しているからです」
 こう語るのは医学博士で、医療総合クリニックを営む久富茂樹院長だ。