マリナーズ・岩隈久志(左、写真:田口有史)と広島・前田健太(右、写真:編集部)

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前田はメジャー挑戦なら年俸5倍に? 「アリゾナが強力な獲得候補」

 米最大の移籍情報サイト「トレード・ルーモア」が今季フリーエージェント(FA)となるMLB選手トップ50とその移籍先を特集した。ポスティング制度でメジャー挑戦の可能性がある広島の前田健太投手は名だたる名手がひしめく中、堂々の14位にランクイン。移籍先の有力候補としては、前田獲得にかねてから執念を燃やしているダイヤモンドバックスが上がっている。一方、マリナーズと今季限りで契約満了となった岩隈久志投手は25位でマリナーズとの再契約が予想されている。

 米メディアでもメジャー挑戦の可能性が取り上げられている広島のエースはフリーエージェントではないが、14位にランクインを果たしている。移籍先候補はダイヤモンドバックス。条件面は2000万ドル(約24億6000万円)の入札額に加え、5年総額6000万ドル(約73億8000万円)と予想されている。

 寸評では「4月に28歳になる前田は日本の広島カープで8シーズン目を終えた。206回1/3を投げ、防御率は2・09。広島は前田をポスティングにかけようと決断するかもしれない。ポスティングシステムは2013年に導入された制度で2000万ドルのポスティング費が上限となっている。最高額を提示した球団はいずれも30日間選手と交渉できる。ダイヤモンドバックスのデイブ・スチュワートGMは1年前に前田を愛していると語っていた。だから、アリゾナは強力な獲得候補だ」と指摘。年俸は15億円程度の評価になると分析されており、広島の推定年俸3億円から約5倍の規模が見込まれている。Dバックスのデリック・ホール球団社長はポスティングにかけられた場合、前田を獲得する方針をすでに明言している。

 一方、岩隈は25位。マリナーズは6日に1年1580万ドル(約19億4000万ドル)のクオリファイング・オファーを出したが、記事では3年総額4500万ドル(約55億3000万円)で契約を延長すると予想。寸評では「上半身の張りで2か月以上欠場し、4月には35歳となるものの、20試合先発で防御率3・54に加え、ノーヒッターも達成した岩隈はマリナーズで成功を続けている」と評価されている。

元中日チェンは13位、“韓国2年連続50発”内野手は23位

 また、カージナルスで今季フリーエージェントとなった37歳の右腕ラッキーは24位に入っている。ラッキーの移籍先の最有力はカブス。その他、ドジャース、Dバックス、アストロズ、ロイヤルズ、ジャイアンツ、タイガース、ブルージェイズ、オリオールズ、マリナーズ、マーリンズ、ナショナルズ、レンジャーズ、ツインズ、ヤンキースという先発ローテーションの強化に動いている15球団が移籍先候補に挙がっている。FAとなった岩隈も今後争奪戦に発展する可能性は高いようだ。

 以前、中日でプレーしていたオリオールズの台湾人左腕、チェン・ウェイン投手は前田より1つ順位が上の13位に入っている。移籍先候補はタイガースで5年総額8000万ドル(約98億4000万円)という高評価を手にしている。

 韓国で2年連続50本塁打以上を放ったネクセンのパク・ビョンホ内野手は23位に入っており、移籍先の有力候補はロッキーズとなっている。ポスティングの入札額1000万ドル(12億3000万円)で5年総額4000万ドル(約49億2000万円)と予想されている。

 また、今季ジャイアンツとの契約を満了となった青木宣親外野手は50人の中には入っていないものの、次点としてリストアップされた14選手の中に挙げられた。

 今回の特集で挙げられたトップ10は以下の通り。

1位D・プライス投手(ブルージェイズFA)候補カブス、7年2億1700万ドル
2位J・ヘイワード外野手(カージナルスFA)候補ヤンキース、10年2億ドル
3位Z・グレインキー投手(ドジャースFA)候補ドジャース、6年1億5600万ドル
4位J・アップトン外野手(パドレスFA)候補ナショナルズ、7年1億4700万ドル
5位C・デイビス内野手(オリオールズFA)候補カージナルス、6年1億4400万ドル
6位Y・セスペデス外野手(メッツFA)候補エンゼルス、7年1億4000万ドル
7位J・ジマーマン投手(ナショナルズFA)候補ブルージェイズ、6年1億2600万ドル
8位J・クエト投手(ロイヤルズFA)候補レッドソックス、5年1億1500万ドル
9位A・ゴードン外野手(ロイヤルズFA)候補ロイヤルズ、5年1億500万ドル
10位I・デズモンド内野手(ナショナルズFA)候補メッツ、5年8000万ドル