プレートに盛られた数々の種類のチーズ

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11月11日はチーズの日。このところ日本でも本格的なチーズに対する関心が広がっている。東京などの大都市では、チーズ料理メインのレストランが次々とオープン、大手のカルチャーセンターではチーズ講座をよく見かけるようになった。

チーズのプロを目指す人も増え、チーズソムリエともいわれる「チーズプロフェッショナル」の有資格者はすでに2600人を超えた。

一般向けのイベントも増える

「作りたてのフレッシュチーズが味わえる」「国産チーズとワインを取りそろえる」「チーズプロフェッショナルのシェフが厳選した世界各国のチーズと豊富なチーズ料理を楽しめる」――都内ではこんなキャッチフレーズの店が目立つようになった。これまでチーズ料理といえばチーズフォンデュやトマトとモッツアレラのカプレーゼなどが一般的だったが、チーズ人気の高まりとともに様々なスタイルのチーズ料理を提供する店が増えているのだ。この傾向は名古屋、神戸、福岡でも見られる。大半はここ数年にオープンした店だ。

こうした店では、ヨーロッパで伝統的な製法で造られる高品質なチーズや、国内の酪農家が造るこだわりのチーズなど、本格的なチーズを使った料理を出しているのが特徴だ。たとえば、「ラクレット」。スイス原産のチーズの断面を、とろとろに溶かして、茹でたじゃがいもにのせて食べる料理だ。あるいはイタリア原産のブッラータという、モッツアレラチーズの中に、クリームとチーズの生地を入れて巾着上に包んだクリーミーなチーズなど。やや値は張るが、人気を集めている。

ただ食べるだけでは物足りない、もっと詳しくチーズについて知りたいという人も増えているようだ。朝日カルチャーセンターやNHK文化センターなど大手のカルチャーセンターでは、チーズ初心者向け講座やワインとのマリアージュ講座が頻繁に開講されている。最近では一般向けのチーズのイベントも増えており、10月だけで都内では3つの大型イベントが開催された。

そんななか、チーズに魅了された人々が挑戦するのが、年に一度行われる「チーズプロフェッショナル」資格試験だ。合格するには、世界各地で作られる様々なチーズの製法・特徴・取扱いについて学び、ブラインドテイスティングや飲み物とのマリアージュなど、チーズについての深い知識が必要だ。しかも、それらを自分の言葉で説明できなければならない。飲食店関係者だけでなく、普通のOL、会社員ら受験生の層は幅広い。今年は7月に一次試験、10月に二次試験があり、新たに200人の有資格者が誕生した。まさにチーズのソムリエのような存在だ。

ワインブームが引き金に

ではなぜこのように本格的なチーズの人気が広がっているのだろうか。その理由はいくつか考えられる。第一に90年代以降のイタリア料理のブームだ。モッツアレラチーズとトマトのピッツァ・マルゲリータや、パルミジャーノチーズのリゾット、マスカルポーネチーズのティラミスなど、本場のチーズを用いた料理を外食で口にする機会が増え、一般の人々にとってチーズの存在が身近になった。

第二にワインブームの影響だ。ワイン愛好家たちは現地の人々と同じように、ワインとチーズのマリアージュを楽しむことを覚え、レストランのみならず自宅でもワインとチーズを口にする機会が増えた。ワインと同じくチーズも産地や熟成で多種多様な種類と味わいがあり、非常に奥が深い。第三に、これらの動きに合わせて、デパートの食材売り場や輸入食品を扱う高級スーパーなどで世界各国のチーズを販売する店が増え、以前より手軽に本格的なチーズを買えるようになった。

11月11日がチーズの日ということもあり、今年は11日、12日の2日間、東京・恵比寿で「チーズフェスタ」が開かれる。今年で21回目となるイベントで、チーズの美味しい食べ方やカットショー、チーズを使ったレシピコンテストなど楽しい企画が目白押しだ。