錦戸亮のサムライとガッキーの白髪がお見事!でも綾野剛には違和感…コスプレ風秋ドラマの注目作
【秋ドラマ前半戦の辛口批評 第3回】

 今年の秋ドラマはマンガ原作のものが多い印象。なかでも、コスプレ風なビジュアルが目立つ注目の三作をピックアップしました。

◆いい人すぎる綾野剛にやや疑問

『コウノドリ』
(TBS、金曜22時、出演:綾野剛)
視聴率:8.9(10月30日)

 マンガ原作。産婦人科医と天才ピアニスト、ふたつの顔を持つ鴻鳥サクラ(綾野剛)が出産時のさまざまな事件を通して、社会問題にぶつかる一話完結ストーリー。

 出演者全員が原作に忠実にビジュアル作りをしていることや、出産という時代が変わり続けても大きな課題であり、希望であり、ものすごくデリケートなことをテレビドラマで取り上げていることに世間の評価も高いです。視聴率も平均11%台。

 とはいえ、ネットでも言われていたように、綾野剛って役どころのような清廉で優しい印象ではないのでは? というのが気になりました。あの切れ長の目はちょい悪な感じが否めないですし、原作の設定ながら、ピアニストでもあるという演出がドラマとしてはやや中途半端な感じ。

 クールビューティーな役が多かった吉田羊も、やたら明るい役を演じて今ひとつハマっていないかも。原作を読めば納得できるのかもしれないけど、ここはドラマレビューなのであしからず。もう少し産婦人科現場のリアリティを再現してくれることに期待します。

◆志士・錦戸の立ち振る舞いに、じわる

『サムライせんせい』
(テレビ朝日、金曜23:15、出演:錦戸亮、神木隆之介)
視聴率:4.8%(10月30日)

 マンガ原作。幕末からタイムスリップしてきた武市半平太(錦戸亮)が佐伯家に転がり込み、荒んだ現代社会を武士の志一貫で建て直していく。そこには同じく時空を超えて現代に潜む、幕末の土佐藩で親友だった坂本龍馬(神木隆之介)の姿も!

 深夜枠ですし、錦戸くんのかつら姿も心配でしたのであんまり期待はしていなかったけど、いきなり1話からハマりました。TBSで人気だった『JIN-仁-』とか、タイムスリップものは定番なのだけど過去から未来へ来るパターンは珍しくて新鮮なのです。

 武市半平太が目上の人(祖父)を敬えとか、ハロウィーンで渋谷を闊歩しているような若者たちがすっかり忘れてしまった、人間としてのあるべき姿勢を思い起こさせてくれます。錦戸くんの演技も武士らしい切ない表情、笑顔など細かい表現が秀逸。あとは相当レッスンしてんだろーなー、という所作もきっちりしていてお見事。笑えて泣けて、小気味良いテンポのドラマです。

 だから1話で武市がスーパーで食べた試食焼きそばの量が多いとか、視聴者からどうでもよさげなことにツッコミが入っている模様ですがストーリーに注目してほしいです。あ、神木くんの殺陣もステキよ。

◆ラブコメ&推理で一度で二度おいしい満腹ドラマ

『掟上今日子の備忘録』
(日本テレビ、土曜21時、出演:新垣結衣、岡田将生)
視聴率:10.2%(10月31日)

 マンガ原作。寝るとすべての記憶がリセットされる掟上今日子(新垣結衣)は、その特異的な体質を生かす名探偵。ちょっとした会話や仕草からヒントを読み取り、依頼主からの事件を解決していく。毎回事件を呼んでしまい、今日子について回るのは何をやってもついていない隠館厄介(岡田将生)。1話完結型で毎回さまざまな事件をクリアする。

 あれこれ難しく考えることもなく見られるドラマだと思います。1話完結とはいえ、回を追うごとに今日子さんの博識ぶりも知ることができたり、その日のうちに解決しなくてはいけない推理だからこその視点があったり。

 ニュースで話題にもなっていましたが、ガッキーの白髪もきっちりハマっているし、岡田くんは昨今の若手俳優の中でも群を抜くイケメンなのにまったく仕事が続くことのないダメ男役、しかも好きになった相手は何度会っても自分のことを忘れられてしまうというキャスティングもツボです。

<TEXT/スナイパー小林>

【スナイパー小林 プロフィール】
1985年TBS系ドラマ「毎度おさわがせします」を皮切りに小学生からテレビおたくになり、You Tube全盛の時代になってもテレビをひたすら愛し続け、文章にする芸能ライター。ドラマもいいけどアナウンサーのディスりも、コーヒーも大好きな40歳。