我々はゴールを仕留める、得点を取るところに問題を抱えていますから、次の準備として南野とともにトレーニングしていきたいと思っています。彼は若いですが、我々は若い世代とともにリスクを負わなければなりません。2、3年後には、経験も踏まえて、まったく違うレベルになっていると思います。将来のための準備です」
 

●左ウイング-原口、宇佐美について
「原口はクラブで常にプレーしています。いろんなポジションでプレーできる選手で、サイドでも中央でも、試合の状況に応じて変えることができると思います。コンプリートな選手ですね。運動量も多いですし、攻撃でも守備でも貢献できます。
 
 ただ、16メートルのなかにもっと入り、もっと得点を取ってほしいと思っています。最後の20〜30メートルのところでボールを前に運ぶだけでなく、ボールがない時でもスプリントで16メートルの部分に入ってほしい。ヘディングでも点を取って欲しいですね。走りながらそういったことができれば高いレベルに行けると思います。
 
 宇佐美については、すでにたくさんのことを話してきました。最近は、少し疲れているように見えますね。リーグ戦が続くなかで、ACLも準決勝まで行きましたから、ずっとプレーを続けています。それもあってフレッシュな状態ではないのかもしれません。ただ、そうであったとしても、能力がかなり高いので呼びました。日本のフットボールで、これほど能力が高い選手はいません。我慢しつつ、彼を成長させていきたいと思っています」
●CF-岡崎、武藤、金崎について
「岡崎はすべての試合で100パーセントを出し切るので、今現在のパフォーマンスは落ちています。ただ、彼はすべてのところに顔を出してくれる選手です。最近は、そこまでクラブでの試合に出ていませんが、彼のやる気とプロフェッショナリズムは我々にとって必要です。
 
 武藤は先日、ドイツで3点取りましたね。(ハットトリックは)日本人選手にはあまりないことだと思うので嬉しいです。以前はゴール前で落ち着きを欠くこともありましたが、今は冷静さを取り戻せるのではないかと思います。若い選手なので、こうして点を重ねていけば、自信が深まってくると思います。
 
 身長はそこまでありませんが、武藤は勇気があるし、デュエルにも強い。また、爆発的なスピードは、かなり高いレベルにあります。ただ、ドイツのサッカーは彼のためのスペースもありますが、まだそのスペースを十分には使えていない。裏のスペースに走っても、ボールホルダーとのシンクロナイゼーションがなく、オフサイドになってしまうので、オブリックランニングを覚えさせたいと思っています。
 
 金崎は新しい選手ですが、昨日見つけたわけではありません。これまで追跡してきた選手です。すでに言いましたが、我々は中央に少しパワーが足りません。センタリングを有効利用できる選手がいないか探していました。他にも候補は何人かいますが、今回は金崎をダイレクトにトレーニングしながら見たいと思っています。
 
 ここ数か月、金崎はかなり良い仕事をしてきました。真ん中だけでなく、かなり広範囲に動いてくれます。フィジカル的な身体の大きさはそこまでありませんが、デュエルのなかでボールをプロテクトしながらスピードも使えますし、戦う意識もありますし、ヘディングも上手いです。決定的な仕事をナビスコカップ決勝でもしました。
 
 私は、1年目は時間をかけて選手を追跡して、できるだけ多くの選手に可能性をもたらしたいと思っています。ハイレベルなところでは完璧な人間が要求されますから、フットボールだけでなく、人間性も見たい。金崎にとっては良い機会でしょう。
 
●メンバー発表を終えて
「イラン戦の後に皆さんにもお話しましたが、私はイラン戦の前半にまったく満足していません。特に戦う意識の部分です。イランはフィジカル的なパワーを前面に押し出し、我々を難しい状況に追い込んできました。それに全員が対応できたわけではなかったからです。
 
 これからシンガポール、カンボジアに絶対に勝つという話はしますし、勝って(2次予選のグループ)1位をキープしたいと思っています。来年に向けて言えば、我々の相手がどんどん強くなるなかで、我々はもっとパフォーマンスを上げなければなりません。そのためには、A代表には常に100パーセントの状態で来てもらわなければならない。

 プレーが悪くても、チャンスでミスしても構いませんが、やる気と戦う意識のところでは絶対に負けてはいけません。今の日本代表に問題があると言っているわけではないし、私は少し強く要求しすぎなのかもしれませんが、要求し続けたい。このチームはもっと向上できると思っています」