▽日本代表を率いるヴァイッド・ハリルホジッチ監督は5日、11月12日と同17日に行われる2018年ロシア・ワールドカップ(W杯)・アジア2次予選のシンガポール代表戦とカンボジア代表戦に臨む日本代表メンバーを発表した。

▽記者会見には、霜田正浩技術委員長とハリルホジッチ監督が出席。アジア2次予選に向けた意気込みや選考理由などについて語っている。

霜田正浩技術委員長(強化)

「年内も残り2試合となりました。この2試合は公式戦ですので、勝利にこだわって勝ち点6を積み上げて帰ってきたいと思います。このところアウェイでの試合が続いていますが、サポーターの皆さんには引き続き応援をお願いしたいと思っております。よろしくお願いいたします」

ヴァイッド・ハリルホジッチ監督

「2試合勝って終わりたい。霜田委員長と私は意見が一致している。今年最後の2試合はアウェイでの試合になる。少し変更を加えたリストを説明したい。新しい選手も何人かいる」

「私が色々と見たなかで決めた。1年目はできるだけ多くの選手を見たいと思っている。試合を見ることはできるが、グラウンドで直接見ることと、直接話をすることは異なる」

「つまり、何人かの選手は外れた。それは彼らが悪いわけではなく、もっと色々な選手を見たいということ。もちろん、もっと頑張ってほしいというメッセージも込められている」

◆GK

【ゴールキーパー】

西川周作(浦和レッズ)

東口順昭(ガンバ大阪)

林彰洋(サガン鳥栖)

「西川。東口。そして初めて林を呼ぶが、長いこと追跡していた選手だ。少しヒザに問題を抱えていたが、このところかなり高いレベルを見せてくれている。そのため、直接見る機会を設けた。チャンスをつかんで欲しい」

「六反が悪いから替えたわけではない。ほかの選手を見たいということ。どのポジションでも競争が必要というメッセージでもある」

「良いニュースとしては、川島があるクラブと合意まで至っている。ただスポーツとは関係ない労働許可証が必要だ。練習はしているので、早くプレーしてもらいたい。それは他の選手にも言えること。そして、自分のポジションを確保し、レベルとパフォーマンスが良くなければA代表には入れない」

◆DF

【センターバック】

吉田麻也(サウサンプトン/イングランド)

槙野智章(浦和レッズ)

森重真人(FC東京)

丸山祐市(FC東京)

「吉田は前回、左足でシュートを決めた。槙野もFC東京戦で素晴らしいゴールを決めた。守備面は良くなかったかもしれないが、人間性も素晴らしいし、良いDFだ。ただ、まだまだ成長できると思う」

「森重は打撲があるなかでプレーを続けていたが、しっかりと回復したので招集した。4人目は新しい選手。丸山だ。丹羽や昌子、水本も良いパフォーマンスを見せているが、同じ時間を経験している」

「丸山はまだ同じ時間を経験していないし、(チームに)左利きのセンターバックも少ない。彼のプレーを直接見てみたいし、チャンスをつかんでもらいたい。丹羽、昌子、水本を忘れたわけでも、彼らが悪いわけでもない」

【右サイドバック】

酒井宏樹(ハノーファー/ドイツ)

「右サイドは酒井宏。前回はケガだったが戻ってくる。特にこの2試合はセンタリングが重要になるので彼が必要だ。今回は初めて右サイドは1人だけの招集になる。何人か右サイドでプレーできる選手もいるが、今回は前線の真ん中に人数をかけたいのでこの人選になった。(酒井)高徳や塩谷もいるが、高徳はポジションを自分のクラブで確保することが先決。定期的にプレーしてないことが大きな原因だ。しかし、真剣に練習に取り組んでいてくれるとは思う」

【左サイドバック】

長友佑都(インテル/イタリア)

藤春廣輝(ガンバ大阪)

「左サイドは長友。彼も両サイドでプレーできるので競争力を高めてくれるだろう。インテルは上位につけているし、プロフェッショナルな彼の存在は我々にとって必要だ」

「藤春は米倉から席を奪った。前回は米倉がそれほど良くなかったので藤春が席を勝ちとった。今回の試合では良いセンタリングが必要。彼のスピードとオーバーラップ、センタリングに期待して選んだ。DFは7人になる」

◆MF

【ディフェンシブハーフ】

長谷部誠(フランクフルト/ドイツ)

山口蛍(セレッソ大阪)

遠藤航(湘南ベルマーレ)

柏木陽介(浦和レッズ)

「中盤。ディフェンシブハーフには我々のキャプテンがいる。クラブでは右サイドバックだが、このチームでは中盤でやってほしいと思っている。右手をケガしているが、トレーニングや試合に影響はないと聞いている」

「山口も存在感を示してくれている。それほどJ2を見られていないが、ずっと追っている。かなり向上の余地があると思っている。そういったことを伝えていきたい」

「それから遠藤。前回はケガ、今回は先日まで病気をしていたが、中盤で使いたいと思っている。もちろん右サイドバックでもプレーできる。まだまだ若く向上の余地がある選手だ。将来的にはA代表を引っ張るような選手になってもらいたい」

「柏木には組み立てに参加してほしい。左利きで後ろからの組み立てに関わってもらいたいい。フィジカル的にモンスターではないが、デュエルはあるし、運動量とゲームビジョン、パスも良いものを持っている」

「ほかの選手たちが右利きなので、左利きの選手は貴重だ。特に攻撃面でのバランスをとってもらいたい。中盤に左利きの選手がいると面白い。FKでも異なるものをもたらせる。彼には大きな期待を寄せているので、我々のビルドアップの部分でチームに貢献してほしい」

「浦和ではかなり引いて受けにくるが、代表ではできるだけ高い位置でボールを受けるように言っている。オフェンシブハーフやFWに近づくように伝えている。そして、彼のビジョンは面白いし、背負ってもワンクリックではがせる。彼のような選手はあまりいない。ボールを受ける前に色々なアイディアを持っている選手だ。そして、背後と前をつなぐことができる」

【オフェンシブハーフ】

香川真司(ドルトムント/ドイツ)

清武弘嗣(ハノーファー/ドイツ)

「それから香川。クラブでは良いパフォーマンスを見せて活躍している。得点も取っているが特にラストパスが良い。彼はずっと試合に出ているので、ときには休んでもらいたい。シーズンは長く、彼はフィジカルが屈強なわけではないので、ときには休んでもらいたい。A代表でもときどき休ませている」

「そして清武。彼と香川が我々を前へ前へと進める。彼らがオフェンスの中心であり、二人には競争してもらいたい。清武はケガからの回復途上にある。今朝の情報ではまだケガをしていてトレーニングにも参加していないと聞いている」

「手術したところに近い部分を打撲していると聞いた。(代表で)2試合とも出場するかはわからない。明日プレーするとは聞いているが、ドイツにいる日本のドクターに診察してもらって様子を見てから最終的な決断を下すつもりだ」

◆FW

【右サイド】

本田圭佑(ミラン/イタリア)

南野拓実(ザルツブルク/オーストラリア)

「本田。毎日プレーしているわけでないのでポジションを勝ちとってほしい。クオリティはあるのでトレーニングを続け、自分のレベルをキープし続けてもらいたい」

「それから若い南野。若く有望な選手だ。我々と共に色々なことを学べると思う。右サイドでのプレーに期待しているし、ゴールゲッターだと思っている。シンプルに、正確にプレーできるし、仕掛けられる。爆発的なスピードもあり、まだ20歳だ」

「我々はゴールを奪うことに課題がある。次の準備として共にトレーニングしてきたい。我々は若い世代と共にリスクを負わなければいけない。我々は信頼している。経験を積んだ2、3年後には、まったく異なるレベルになっているだろう。これが将来に向けた準備だ」

【左サイド】

原口元気(ヘルタ・ベルリン/ドイツ)

宇佐美貴史(ガンバ大阪)

「原口は毎試合プレーしているし、ゲームの状況によって色々なポジションでプレーできる。コンプリートな選手だ。運動量も多い。もっともっとボックス内に侵入して、もっともっと得点を奪ってほしい。アタッキングサードでもボールを運んでもらいたい。ボールを持っていない状況でもスプリントでボックス内に入っていき、ゴールを狙ってもらいたい。そういったことが常にできれば、かなり高いレベルに達するだろう」

「宇佐美のことは、これまでにも話してきた。最近は少し疲れ、得点率も下がってきた。これはフィジカル的な準備が不十分なのかもしれない。ただ、今シーズンはかなりのことに取り組んできた。生活の中で気をつけていることもあるだろう。彼にはスペシャルプログラムがある」

「今シーズンはずっとプレーし続けているのでフレッシュではないのかもしれない。ただ、能力がかなり高いので招集した。日本のサッカー界に彼ほどの能力を持った選手はいない。彼とは我慢をしつつ、成長させていきたい。私は彼を信じているし、能力もある。ただ、能力だけでは十分ではない」

【センター】

岡崎慎司(レスター・シティ/イングランド)

武藤嘉紀(マインツ/ドイツ)

金崎夢生(鹿島アントラーズ)

「岡崎。彼は全試合に100パーセントを出し切る選手なので、現在はパフォーマンスが落ちている。本当に色々なところに顔を出してくれる選手だ。最近はそこまで試合に出ていないが、彼のやる気とプロフェッショナリズムを我々は必要としている。もちろん得点も」

「武藤。日本人の選手では珍しく3点を奪った。それは嬉しいことであり、この選手も向上する。身長はそこまではないが勇気とデュエルは素晴らしい。ドイツでは倒れることもあるが、彼の爆発的なスピードなどはかなり高いレベルだと思う。ドイツでさらに向上するだろう」

「ドイツのフットボールも彼に適応してきている。彼のためのスペースも生まれ、そこに走り込んでいるが、ボールホルダーとの連係がまだまだだ。オフサイドにかかることがあるが、そういったときは少し後ろからスタートすればいい。そういったことを教えたい。3点とったので今は自信があるだろう。これまではゴール前で焦りが見られたが、今なら冷静さを取り戻せるかもしれない」

「それから新しい選手。金崎だ。すでにA代表に呼ばれているが彼も追跡していきたい。以前にも話をしたが、真ん中に少しパワーが足りない。センタリングを有効に活用できる選手がいないかと探していた。何人かFWはいるが、今回は金崎を直接見たい。ここ数カ月は良いプレーを見せている」

「中央だけでなく、色々な場所に顔を出してくれる。体はそれほど大きくないが身体をプロテクトしながらデュエルを見せ、スピードも、戦う意識もある。そしてヘディングも上手い。先日のファイナル(ナビスコカップ決勝)でも決定的な仕事をしていた」

【総括】

「1年目はより多くの選手を呼んで可能性をもたらしたい。フットボール面だけでなく人間性も知りたい。金崎にとっても良い機会になるだろう。ほかの選手も追跡しており、3月には異なる選手になっているかもしれない。ただ、今のところはこの23人でスタートしたい」

「今のところ大きなグループを作っている。もっともっと競争力を高めたいからだ。何人かに言いたいのは、これでA代表に入ったと思うなよということ。イラン戦の前半にはまったく満足していない。戦う意識が感じられなかった。イランはフィジカルを前面に出して我々を苦しい状況に追いやった」

「個人的にもディスカッションをして、日本の長所も短所もわかってきた。霜田技術委員長も言っていたが、2試合に勝つ。これが我々の野心だ。緒戦のシンガポール戦に関しては、まだまだを飲みこめていない。もちろんシンガポールで絶対に勝つという話はする。勝って1位をキープしたい。そして結果を残したい。来年はもっと強い相手となるのでもっとレベルを上げないといけない」

「我々はA代表だ。常に100パーセントで来てもらわないといけない。プレーが悪くてもかまわない。シュートをミスしてもかまわない。しかし、やる気と戦う意思の部分では絶対に負けてはいけない。これは絶対だ。少し要求しすぎている部分があるかもしれないが、要求し続けたい。このチームはもっと向上できると思っている」

「このリストにいない選手へのメッセージもある。例えば柴崎岳。(今回の招集外は)他の選手にチャンスを与えたいからだが、もっともっと向上できるということを伝えたい。彼には本当に期待しているので、トレーニングを続けてほしい。私は彼とディスカッションしているし、彼の人間性も気に入っている。彼はもっと向上していく。他の選手にも言いたいのは、誰も忘れていないということ。しかし、もっともっとパフォーマンスを向上させてもらいたいと思っている」