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米Hewlett Packardは11月2日(現地時間)、企業向け事業を手がける米Hewlett Packard Enterprise(HPE)、ノートPCやプリンタを手がける米HPに分社化したことを発表した。これに伴い、HPEの日本法人の日本ヒューレット・パッカードの代表取締役社長 執行役員の吉田仁志氏が説明を行った。

吉田氏は、分社化の狙いについて、「最大の理由は『市場の変化のスピードに追随できるよう、フレキシブルかつ迅速に動けるようにするため』。分社化により、意思決定のスピードを上げることで、イノベーションの提供を加速し、市場を引っ張って行きたい」と語った。

HPEの社長兼CEOはメグ・ホイットマン氏が務め、直近12カ月の売上は527億ドル、営業利益は49億ドルとなっている。HPEの事業は、ネットワーク/サーバ/ストレージや統合型システムを手がけるエンタープライズグループ、サポートサービスを手がけるエンタープライズサービス、企業向けソフトウェアやクラウドを手がけるHPソフトウェア、ITの消費モデル構築のサポートなどを行うファイナンシャルサービスから構成される。

旧HPの青いロゴは米HPが引き継ぎ、HPEは新たなロゴで事業に臨む。吉田氏は、「IT企業のロゴの8割が青い。生命力の意味を持つ緑を採用することで、改革していくというメッセージを発信したい。また、些細な部分ではあるが、『tt』の横棒がつながっていることにも注目していただきたい。これは、パートナー、顧客、社員間の協調をイメージしている。また、HewlettとPackardの間にあったハイフンをなくしたが、これは受容を意味している」と新ロゴに込められている思いを述べた。

続いて、吉田氏はHPEの戦略「New Style of Business powered by IT」について説明を行った。この戦略は「ハイブリッドインフラへの『変革』」「デジタル・エンタープライズの『保護』」「ワークプレイスの生産性『向上』」「データ指向経営の『推進』」という4つの柱から構成される。

ご存じのとおり、Hewlett Packardは数々のM&Aにより巨大化を続けてきたが、その中で、買収した企業を取り込んで改革を行っていくには、オンプレミス、パブリッククラウド、プライベートクラウドを組み合わせたハイブリッド・インフラが有効であることを学んだという。「改革や変革を起こしやすい企業にならなければならない。そのために、われわれはハイブリッド・クラウドに移行してきた」と吉田氏。

また、クラウドの勢いが増すなか、クラウド事業への注力を表明するベンダーが増えているが、吉田氏は「これまでの変革でインフラの重要性を実感している。HPEはこれからもインフラのビジネスを継続していく」とアピールした。

さらに吉田氏は就任以来、顧客と会話するなかで「グローバル化のサポートをしてほしい」という声が多かったとして、「日本をもっと元気にしたい。元気な企業、元気になった企業の後ろにHPEがいるという状況にしたい」と、日本法人としての戦略を語った。

なお、米HPは10月21日にパブリッククラウド「HP Helion Public Cloud」を2016年1月末をもって終了することを発表している。これについては、「今後、パブリッククラウドについては、Amazon Web ServicesやMicrosoft Azureと提携するとともに、われわれはバイブリッドクラウドの構築に軸足を移す。OpenStackを」とした。Helionブランド自体がなくなるという報道もあるが、あくまでも提供をやめるのはパブリッククラウドのみで、その他の製品やサービスの提供は継続する。

一方、米Oracleは10月に米国サンフランシスコで開催した年次カンファレンス「Oracle OpenWorld 2015」で、AWSをターゲットとしたIaaS「Oracle Elastic Compute Cloud」を発表し、話題を呼んでいる。

こうした両社の動きに加え、HPが中心となって開発を進めてきたオープンソースのクラウドプラットフォーム「OpenStack」の今後も気になるところだ。これからクラウドビジネスにどのような変化が訪れようとしているのか、注目していきたい。