理想的な便とは1日に1〜2回 (shutterstock.com)

写真拡大

 さまざまな腸内細菌が住みついている腸。腸内環境のよしあしは人間の健康を左右する。では、あなたの腸内環境は大丈夫だろうか? 簡単なチェックリストがあるので試してみてほしい。

【腸内環境チェックリスト】
 ○毎日の便通の調子がよくない
 ○便通が数日ないことが多い
 ○外食が多い
 ○生活時間や食事が不規則だ
 ○牛乳や乳製品をあまりとらない
 ○野菜や果物をあまりとらない
 ○肉類中心の食事が多い
 ○食事をぬくことがよくある
 ○運動不足ぎみだ
 ○アレルギー体質である
 ○おならが出やすく、においも臭い
 ○肌があれ、吹き出物が出やすい
 ○口臭や体臭がある
 ○ストレスが多い生活だ
 ○風邪をひきやすい

 このチェックリストで5項目以上チェックが入ってしまった場合は、腸内環境が悪化している可能性がある。特に、後半にチェックが多かった人は、すでに腸内環境の悪化が進み、悪玉菌に腸内環境を支配されている恐れがある。この状態をほおっておくと腸内環境はますます悪化し、免疫力はどんどん低下していき、健康が損なわれてしまう。

便秘や下痢は腸内環境の大敵

 腸の健康状態を把握するには、便の状態を見るといい。便の重量の約8割は水分だが、残りは、食べ物のカス、腸からはがれた粘膜、そして腸内細菌の死骸などである。そのため便は、腸内環境がしっかり反映される。

 理想的な便とは、1日1〜2回の回数で、硬さはバナナ状から半練状。色は黄色から黄褐色をしており、においがあまり強くないことが望ましい。便が出ていても硬くて排便しづらい場合やうさぎの糞のようなコロコロ状の便は便秘ぎみ、泥状や水状の場合は下痢ぎみということになる。また、便の色が茶褐色や黒褐色の場合には、肉類や脂肪類のとりすぎ、あるいは腸内の悪玉菌の増加が考えられる。

 おならも同様に、腸内環境を反映する。おならが出やすく、においがきつい場合には、悪玉菌が多い証拠だ。

 一般的に女性は便秘に、男性は下痢に悩まされているという報告がある。慢性的な便秘は悪玉菌の温床となり、悪玉菌から発生した有毒な物質やガスをいつまでも腸内にためこんでしまう。有毒な物質の中には大腸がんの原因となる物質も含まれる。実際、腐敗便がたまりやすい直腸とS状結腸に大腸がんは多発する。

 また、有害物質は大腸粘膜の血管から血液を通して全身に運ばれ、頭痛や肌荒れ、口臭や体臭などの症状を引き起こす。

 便秘は腸内環境にとっては大敵だが、便の通過が早すぎる下痢も問題になる。大腸での便からの水分の吸収は、体内の水分のコントロールにも関わっているためだ。

積極的にとりたい食物繊維と乳酸菌

 腸内環境を整え、快便を促すのにはまずはふだんの食生活を見直すことが大切になる。その特効薬となるのが、いうまでもなく乳酸菌だ。乳酸菌は腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌を減らして元気な腸をつくる。

 同時にとりたいのが食物繊維。食物繊維は小腸で消化されずに大腸まで達して、そこで水分を十分に吸収してふくらみ、便通を整える。さらに、食物繊維は乳酸菌のエサとなって乳酸菌を増やす作用がある。

 食物繊維は、いんげん豆や枝豆、みそ、納豆などの豆類や豆製品、ごぼうやほうれん草などの野菜類、きのこ類や海藻類などに多く含まれる。乳酸菌とともに、ふだんの食生活では意識して食物繊維をとるようにしていきたい。


後藤利夫(ごとう・としお)
1988年 東京大学医学部卒業。1992年東京大学附属病院内科助手。現在、新宿大腸クリニック院長。「大腸がん撲滅」を目標に独自の無麻酔・無痛大腸内視鏡検査法を開発。大腸内視鏡40000件以上無事故の大腸内視鏡のマイスター医師。一般社団法人・食と健康協会顧問。
著作に『あなたの知らない乳酸菌力』(小学館)、『その便秘こそ大腸ガンの黄信号』(祥伝社)、『腸イキイキ健康法』(主婦と生活社)、『腸をきれいにする特効法101』(主婦と生活社)、『腸いきいき健康ジュース』など多数。大腸がんのインターネット無料相談も実施中。
新宿大腸クリニック
公式HP http://www.daicho-clinic.com