Amazonの新しい育児休暇制度は「優れたPR活動」か

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子どもをもつことになる「新しい親」たちに対するAmazonの決断は、素晴らしいものだ。同時に、2015年8月に、多くのメディアで職場環境が「ブラックだ」とする報道された同社からすれば、この制度設定はイメージの向上も期したものなのかもしれない。

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アマゾンは育児休暇制度を「アップデート」した。出産した母親の有給育児休暇を20週間まで延長し、性別にかかわらず、新たに親となった従業員に6週間の有給休暇を追加した。

『シアトル・タイムズ』紙で報道された通り、これで、同社で父親となった社員は初めて、子どもの出生(もしくは養子縁組)後から休暇を取れるということになる。

先立つこと数カ月前、いくつかのテック企業(マイクロソフトやアドビ、ネットフリックス)は、育児休暇制度の改良を発表した。一方でアマゾンは、従業員の扱いに関して世間の厳しい目にさらされており、『ニューヨーク・タイムズ』による調査は、その職場環境を疑問視していた(アマゾンとタイムズは、その後、記事の公平性と正確性に関して堂々巡りの議論を行うことになった)。

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そのタイムズの調査に続き、当時アマゾン・パブリッシングでエディトリアル・ディレクターにあったジュリア・チェイフェッツは、同社が育児休暇制度を見直すよう要求するなかで、彼女の育児休暇が終了し癌の診断を受けたあと、実質解雇されたことを主張した

もうすぐ年末年始の休暇であるし、ちょうどいま、ブラック・フライデーのセールも始まろうとしている。1年で最も忙しい買い物シーズンに入るため、従業員がやる気を起こすように、と思っているかもしれない。

というのも、アマゾンのこの制度は、役職の高いエンジニアやマネジメント層だけではなく、10万人以上を数える発送センターやカスタマーサーヴィスの人員にも適用されるようだ。

あるいは、タイムズの記事が世間からのイメージに与えたダメージを抑制しようとしているのかもしれない。同社は、顧客(将来の潜在的社員)を幸せにし続ける必要がある。それに、同社が「新しい親」たちをどのように扱うかについてポジティヴなメッセージを発信するのは、害にはなろうはずがない。

動機がどうであれ、改善した育児休暇制度は、いいものだ。しかし、専門家は、企業がそのような制度を実施するだけでは十分ではないと言う。企業には、従業員が休暇を遠慮せずに取ることができる、協力的な環境もまた必要なのだ。

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