株式会社ユーゴーが運営する「ランドリー専科蘇我店」

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 1960年代に銭湯の横につくられたのが始まりの、昔ながらのコインランドリーが進化している。九州6県と広島県、山口県にコインランドリー店を展開し、現在253店舗をかまえる宮崎県生まれのWASHハウス代表の児玉康孝社長はこう話す。

「2011年の新燃岳の噴火後、火山灰の影響で洗濯物が外に干せないという理由から、多くのお客様にご利用いただきました。最近は、花粉やダニのアレルギー対策やPM2.5などの影響で、ご利用されるお客様が増えています」

 リーマン・ショック後の不景気も、利用者の増加を後押ししている。かつてはクリーニング店に依頼していた羽毛布団やこたつ布団、カーテンや絨毯などの洗濯をコインランドリーで済ませようとする人が増え、それに合わせて、コインランドリーも増えたというわけだ。

 株式会社ユーゴーは、北関東を中心にクリーニング店を展開してきたが、数年前からコインランドリーも手がけ始めた。店は24時間営業で、8時から20時まではスタッフが常駐し、定期的に消毒をするという徹底したサービスが特徴。客の9割は女性だと説明するのは社長の本山和彦さん。

「今のコインランドリーの魅力は、なんと言っても容量の大きさ。家族全員の布団カバーやシーツをまとめて洗って乾燥までできる機械もあります」

 年を取ったらもちろんのこと、若い人にとっても、自宅での大物の洗濯は骨の折れる大仕事。ひとり暮らしのお年寄り、老老介護をしている人にとっても、水を吸うと重くなる毛布の洗濯などにコインランドリーが重用されている。

「仮にお子さんと同居している高齢のかたも毛布を洗ってほしいとか、クリーニングに出してほしいとかは言いにくいですよね。だったらここまで車で持ってきて、ご自分で乾燥まで済ませるというかたもいるのです。さらに家庭用の倍近くの容量の洗濯機を揃えているので、家では2、3回に分ける必要があっても、ここでは1回で済みます。洗濯から乾燥まですべて行っても、かかる費用は800〜1200円くらいです」(全国コインランドリー連合会会長の柄野康二郎さん)

 また「靴を洗える洗濯機もあります」と柄野さんが言うように、機械の進化もコインランドリーをますます便利にした。

「以前は、洗濯機と乾燥機が分かれていて、途中で一度は洗濯物の入れ替えが必要でした。でも最近は、洗濯から乾燥まで一気にできる大型の機械を揃えた店が増えています。すると、一度セットすると、乾燥が終わるまでの70分間くらい、何もする必要がありません」(柄野さん)

 その間に、買い物を済ませたり子供を迎えに行ったりと、時間を有効に使える。戦後、洗濯機が登場したことで家事の時間は短くなったが、現代のコインランドリーは、それをさらに短縮する存在といえるかもしれない。コインランドリーは女性の社会進出、共働きや介護、高齢者のひとり暮らしの増加、不景気の到来など、さまざまな時代の変化を受け止めているのだ。

 店舗の様子も一変した。「『怖い』『不気味』『入りにくい』と思われない店作りを目指しています」と言うのは、前出の本山さんだ。

「特に大切にしているのは、店内の明るさ。壁や天井はきれいな空色にしていますし、BGMはリラックスできるボサノバです。待機するかたのため、ファッション誌や料理雑誌も用意しています」

※女性セブン2015年11月12日号