上場投資信託(ETF)のひとつである「NEXT FUNDS日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」(以下、日経レバ)を個人投資家たちが買い漁っている。

 東証に上場する全銘柄の中で売買代金は連日トップを記録。トヨタ自動車やソフトバンクなどの大型株を押しのけて、いま一番人気の銘柄なのだ。証券関係者が語る。

「日によっては売買代金ベースでトヨタの3倍も取引され、いまや証券コードの『1570』で通用するほど認知されています。特に日々売買するデイトレーダーにとっては『日経平均の2倍の値動き』という商品性が魅力になっているようです。

 ただ、取引量があまりに増えてしまったため、8月以降の乱高下局面では日経平均の振れ幅を大きく広げた“主犯”ともいわれる。巨額の年金マネーを動かすGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は“クジラ”と称されますが、日々の売買において『1570』の存在感はそれを上回っている」

 そもそもETFとは何か。『ETF投資入門』(日経文庫)の著者でインデックス投資アドバイザーのカン・チュンド氏(晋陽FPオフィス代表)が説明する。

「日経平均やTOPIX(東証株価指数)などの指数に連動する金融商品で、一般的な投資信託と違って上場しているため、販売会社に支払う手数料がかからないなどコストが安い。加えて個別株と同様、取引時間中に刻々と価格が変動するので、自分が取引したい価格で売買できます。つまり、金融機関側の思惑ではなく、投資家のニーズに即した金融商品といえます」

 その投資先も株や債券、不動産、商品などさまざまで、中には世界の株式市場をひとつにまとめたETFもある。

「世界の国に丸ごと投資することで、ある国の株価が下がっても他の国の株価が上がることでリスクヘッジできるメリットがあります。個別株ならその銘柄を研究して選ぶことが求められますが、ETFは逆に『選ばない投資』ができる」(カン氏)

 では、日経レバはどんな商品なのか。野村証券のグローバル・マーケッツ本部ETFマーケティング・グループ長の塩田誠氏の解説。

「日経平均の1日の変動率の2倍の幅で動く指数に連動する商品で、現物株ではなく日経平均先物を使って運用します」

 個人投資家でも日経平均先物は取引できるが、リスクの高さと読みの難しさゆえに投資上級者向きといわれる。だが、日経レバなら個別株のように取引できる利便性がある。投資の最低金額が1万5000円程度と手軽な点も魅力のひとつだという。

「基本的には現物株の取引が終わった午後3時から先物取引の終わる3時15分までの間に先物を売買して、指数に連動させるようにしている」(塩田氏)というが、対象となる指数とETFの基準価格の連動性を適切に維持するため、10月16日には資産規模が膨らみすぎないような措置が講じられた。

 巨額の資金が集中してしまうほど、日経レバは人気化しているのだ。

※週刊ポスト2015年11月13日号