ゾウはがんになりにくい

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米ユタ大学、ペンシルバニア大学の研究チームは、人間よりも巨大で細胞数も多いゾウが、がんを発症しにくい仕組みを解析したと発表した。

ゾウの体は人間の100倍以上のサイズがあり、細胞数もはるかに多いため、細胞の損傷によってがんを発症する確率は人間より高くてもおかしくない。しかし、ゾウはほとんどがんを発症せず、動物園の記録ではがん死亡率は5%未満で、人間の11〜25%よりも低い。

研究チームがゾウの遺伝子解析をおこなったところ、がんなどの腫瘍を抑制する作用を持つ「P53」遺伝子が人間では2つしかないのに対し、ゾウは40個持っていた。

また、8頭のアフリカゾウとアジアゾウの血液と、21人の健康な成人の血液を採取し、それぞれに放射線を照射し、遺伝子の破損状態を比較した。すると、ゾウの血液中では人間に比べ、破損した遺伝子を修復せず死滅させる比率が高く、人間の約2〜5倍だったという。

研究者は「単にゾウの遺伝子が優れている、ということではない」とし、「人間が進化したことで、喫煙や過剰なカロリー摂取といった、ゾウにはできない行動をとることも人間にがんが多い一因であると考えられる」とコメントしている。

発表は米国医師会誌「JAMA」オンライン版に、2015年10月8日掲載された。

参考論文
Potential Mechanisms for Cancer Resistance in Elephants and Comparative Cellular Response to DNA Damage in Humans.
DOI:10.1001/jama.2015.13134 PMID:26447779

(Aging Style)