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『言論江湖』いま、「言論」がおもしろい

2005年04月10日13時43分 / 提供:PJ

pj
「ジャーナリズムは個人に拠る」。格言というべきこの言葉を口にするジャーナリストは山ほどいる。だが、覚悟して実践できる者はほんの一握りではなかろうか。会社員化したジャーナリストが上司に媚を売る一方で、批判精神を振りかざす。こんな自己矛盾があろうものか。

 4月6日付け毎日新聞朝刊の「記者の目」欄を読んで、痛快な気分になった。筆者の柴沼均さんが、自らのスタンスを明確にしたうえで、自社と同僚に疑問を呈したからだ。批判そのものが面白いのではない。自由闊達な議論が、毎日新聞社内で展開されている様子を垣間見ることができたのが良いのだ。

 確かに、ライブドアPJに対する好意的な見方があり、筆者は気をよくしているのかもしれない。それ以上に、柴沼さんのストレートな表現と、それを掲載する毎日新聞の勇気に感服した。柴沼さんがこれから、社内的に排斥されなければよいのだが。

 大手報道機関から独立し、スポーツ・ノンフィクションの売れっ子作家の先輩からこんな話を聞いたことがある。元同僚から「資料を提供するから、うちの会社の批判を書いてほしい」との依頼が後を絶たないそうだ。噴飯ものとは、まさにこれだ。ジャーナリストなら自分で書けば済む話ではないか。

 明治時代後期、新聞紙法が発効されて、多くの「言論新聞」は「報道新聞」へと衣替えした。新聞社がその際に用いた保身のための方便が、「中立公正」や「不偏不党」といったスローガンだった。これらによって、ジャーナリストの顔が見えない記事が氾濫してしまった。

 教科書問題をめぐって、朝日新聞と産経新聞が社説で激しい戦いを繰り広げている。えげつない見出しはさておき、そこからは組織としての個性や、言論の元気が見えてきた。この元気を同業他社との泥仕合だけでなく、政治や外交の論評でも遺憾なく発揮してもらいたい。

 「個の時代」というキーワードを反映してか、最近になり国内新聞にも署名記事が目立つ。こうした動きを「言論新聞」復活の兆候として捉えてよいのだろうか。【了】

※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 小田 光康

関連ワード:
歴史教科書  PJ  教科書  ライブドア  朝日新聞  
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