公認会計士・税理士の森滋昭氏が解説

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 10月5日、ついにスタートしたマイナンバー制度。同月中旬からは、全国各地でマイナンバー通知カードの配達が開始されるなど、徐々に国民の手に渡りはじめている。

 ただ、マイナンバー制度に関する具体的な内容への理解や認識については、まだまだ浸透していないのも事実だ。そこで、新たに開始する本コラムでは、制度に詳しい専門家が素朴な疑問に対して回答。今回は、公認会計士・税理士の森滋昭氏が解説する。

[質問]
・企業にとって、管理で一番重要なことは?

[回答&解説]
 現在、来年以降のマイナンバー導入に伴い、どのように管理をしていけばいいのか、さまざまな情報が飛び交っています。ここでは、実際に企業がどのように管理をしていけば良いのか、紹介していきたいと思います。

 まず、マイナンバーとは、国民一人ひとりに割り当てられた12桁の番号で、企業は社員やパート・アルバイトなど全員から集めたマイナンバーを源泉徴収票や社会保険関連の書類に記載をしなければいけません。

 なお、このマイナンバーは、社員などの収入や税金に直結しているだけではなく、将来的には預金口座や病院のカルテなどとも紐づけられる可能性があると言われています。

 そのため、企業は、決してマイナンバーを漏えいしないよう、十分に気を付けて管理をする必要があります。

■マイナンバーを取得する対象者を整理しよう

 どのように管理をすればいいのか考えるために、まず、どのような人のマイナンバーを取得するのか見てみましょう。

 企業は、主に社員からマイナンバーを取得することになりますが、規模の大きな企業では、あちこちの支店や部署にいる何百、何千という社員のマイナンバーを把握しなければいけません。

 さらに、社員以外にも……、
・取引先の個人事業主
・顧問税理士や顧問弁護士などの士業
・個人株主
など、さまざまな人が対象になってきます。

 このように多くの方が対象となるため、企業によっては、マイナンバーの担当部署以外にも、営業部や総務部などさまざまな部署の方が窓口となって、マイナンバーを取得するケースも考えられます。

■社員の退職後も保管が必要?

 次に、マイナンバーが会社で使われる流れを追ってみましょう。

 企業は、マイナンバーを社員などから取得し、毎年、源泉徴収票などに記載します。社員が在籍中の期間にわたってマイナンバーを管理しなければなりません。

 さらに、源泉徴収票関連の書類は、保存期間が7年と法律で定められているので、社員が退職した後も、マイナンバーを保管し続ける必要があります。

 しかし、社員が退職し、書類の保管期限が過ぎると同時に、企業はその社員のマイナンバーも速やかに廃棄することが義務付けられています。

 このように一度取得したマイナンバーは、最終的に廃棄するまで、何年間も管理をする必要があるのです。

 こうしてみると、マイナンバーの取得から廃棄まで、規模の違いこそあれ、企業にも多くのことが求められるため、さまざまな部署の多くの人がマイナンバー制度導入による対応を求められることになります。

■安全な管理方法とは?

 今、マイナンバーについてどのような管理をしようとしているのか、実際に企業の方に聞くと、「マイナンバーが記載されている書類は、鍵のある棚に入れておく」、「マイナンバーを廃棄するときは記録に取ろうと思う」などといった、物理的な安全管理対策が多いように感じます。

 あるいは、「書類で持っていると失くす恐れがあるので、外部からの不正アクセスにも対応したクラウドによる管理にしようか考えている」といった技術的な安全管理対策もあるでしょう。