国民総背番号制とも言われる「マイナンバー制度」がいよいよスタート (C) Getty Images

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 10月5日、ついにスタートしたマイナンバー制度。同月中旬からは、全国各地でマイナンバー通知カードの配達が開始されるなど、徐々に国民の手に渡りはじめている。

 ただ、マイナンバー制度に関する具体的な内容への理解や認識については、まだまだ浸透していないのも事実だ。そこで、新たに開始する本コラムでは、制度に詳しい専門家が素朴な疑問に対して回答。今回は、税理士・ファイナンシャルプランナーの大黒たかのり氏が解説する。

[質問]
どんな時にマイナンバーが必要になるのですか?

[回答&解説]
 会社員の場合、年末調整が終わると源泉徴収票が交付されます。この源泉徴収票は、本人のほか、税務署と住んでいる市区町村に送付。税務署や市区町村宛には、マイナンバーが記載された源泉徴収票が必要となります。

 これにより行政側で名寄せがスムーズに行われ、住民税等の計算が行われます。扶養家族がいる場合は扶養家族のそれぞれのマイナンバーも必要となりますが、本人に交付される源泉徴収票にはマイナンバーは記載されません。

 会社に入社したり、退職する際には、健康保険や厚生年金の加入や脱退の手続きを会社が行います。その際の書類にマイナンバーの記載が求められ、例えば、年金にマイナンバーが付されることにより、転職時や厚生年金から国民年金に代わっても「消えた年金」にならないようになっています。

■主婦や学生は?

 主婦や学生にとっては、あまりマイナンバーにはあまり縁がないように感じますが、パートや1日だけのアルバイトする場合でもマイナンバーを会社に提出する必要があります。理由は、会社員と同様に会社は源泉徴収票を税務署などに提出しないといけないからです。

■マイナンバーが必要な場面とは

 マイナンバーは、社会保険や税金の手続きのために、国や自治体、勤務先、金融機関、年金事務所などに提供するものです。

具体的には下記のような場面です。
・児童手当申請時、あるいは毎年6月の現況届の時
・年金受給申請時
・失業保険申請時
・生活保護申請時
確定申告
・入社時や年末調整の時
・パートやアルバイトを始める時
・証券会社の口座がある、あるいは新規口座開設をする時
・保険会社との契約がある、あるいは新規契約する時
・銀行口座がある、あるいは新規口座開設する時

■マイナンバーのメリット

 添付書類の削減など行政手続が簡素化されることが、マイナンバー制度のメリットでしょう。また、「マイなポータル」では、行政機関が持っている自分の情報を確認したり、行政機関からさまざまなサービスのお知らせを受け取ったりできるようになります。

 例えば、児童手当の給付を申請する際に、所得証明書と健康保険証の写しが必要ですが、これらはマイナンバーにリンクしているため、不要となります。

 年金受給の際に戸籍と住民票が必要ですが、マイナンバーがあれば年金事務所で住所が確認できるため、住民票の必要はありません(戸籍はマイナンバーの利用対象になっていないため、引き続き必要)。また、確定申告で、住宅ローン控除を利用する際に添付していた住民票も不要となります。

 「マイナポータル」とは、行政機関が自分の情報をいつ、どことやりとりしたのか確認できるほか、行政機関が保有する自分に関する情報や行政機関から自分に対しての必要なお知らせ情報をパソコンなどから確認できるサイトです。

 例えば、各種社会保険料の支払金額や確定申告などを行う際に参考となる情報の入手などが行えるようになる予定です。

 また、引越しなどの際の手続きのワンストップ化や納税などの決済をキャッシュレスで電子的に行うサービスも検討されています。