だから結婚できない!? AV監督&劇作家ペヤンヌマキが最も恐れるブスの正体
 AV監督として男性向けの娯楽作品をつくる一方で、以前、女子SPA!でも取材した女性向けの男子グラビア番組『メンズ温泉』(BSジャパン、9月25日に放送終了)の演出を手がけるなど、男女双方の欲望を掻き立てている映像ディレクターのペヤンヌマキさん。

 劇作家としての顔も持つ彼女は、女性の醜くも可笑しい“ブス”な一面にフォーカスした演劇ユニット「ブス会*」を主宰し、2010年の旗揚げ公演から一貫して女性同士の関係におけるブスを描いてきました。そして昨年、第4回公演『男たらし』で初めて男性(しかも全員ゲス)を登場させ、同作は“演劇界の芥川賞”とも称される岸田國士戯曲賞の最終候補作に選出。ますます注目度を高めています。

 そんなペヤンヌさんが新作公演『お母さんが一緒』で描くのは、彼女が一番見られたくないと思っている自分の中のブスだと言います。39歳・独身の彼女が最も恐れるブスの正体とは?

◆家族の前で見せる自分が一番醜い

――新作は、老い先短い母親をアラサー・独身三姉妹が温泉旅行に連れていく話ですよね。なぜ今回、家族にフォーカスされたのでしょう?

ペヤンヌ:実はずっと、家族をテーマにするのを避けていた部分があったんです。家族の前で見せる自分が一番醜いから(笑)。でもここ数年、自分も親も年をとったし、それを笑ってしまわないとな、と思ったんです。

――これまで、女と女、男と女の関係におけるかなりエグい部分をリアルに描いてこられたのに、家族の前ではそれ以上に醜くくになる、ということですか?

ペヤンヌ:なんというか、親のことになると、ちょっとしたことで泣いちゃったり、すごく大きな声を出しちゃったり、喜怒哀楽の沸点が低くなるんです。あと、4つ下の妹がいるんですけど、姉妹って仲間だけどライバルみたいなところもあって、他人とは違う独特の距離感がある。お互いが傷つく言葉を誰よりも知っているから、すごく傷ついちゃうし傷つけちゃう。そこをいままで描いてなかったなと思って。

◆ありのままでいられないから結婚できない!?

――今回の登場人物の三姉妹の設定は、そういった実体験から生まれたんですね。

ペヤンヌ:はい、“ブス会*版の「アナ雪」”をつくろうと思って(笑)。ありのままの姿で生きられずもがく姉妹の物語。そこに、三女の彼氏、つまり男が一人入ってくる。家族の中に他人が入って空気が変わる瞬間ってありますよね。他人の前で、家族の恥ずかしいところを見られるのって一番ウワァ―! ってなる。そういうところも描ければと。

――たしかに、自分が取り繕っていない状態を不意に他人に見られるのは恥ずかしいですよね。

ペヤンヌ:でも、結婚したらそういう状況になるってことですよね。それにすごく抵抗がある。妹はいいですけど、親に対する態度は他人に見られたくないです(笑)。

――いったいどんな態度なんですか(笑)。でもその感覚、わかる気がします。ただ、そうなると結婚できないですよね?

ペヤンヌ:突き詰めて考えると、結婚願望があるんだろうか、と思うときはあります。親の夫婦喧嘩が絶えなかったこともあって、好きな人と結婚して幸せな生活を送るイメージが具体的に持てないんですよね。だから、いま自分が結婚に結びついてないんだろうな……って親のせいにしてるんですけど(笑)。

◆美しいメンズの裸が見られる!?

――今回、三女の彼氏役として、『メンズ温泉』のメンズたちの一人である、俳優の加藤貴宏さんが出演されるそうですね。

ペヤンヌ:加藤くんは男の象徴みたいな体つきをしていて、生命力に溢れているんです。女3人の中に飛び込んでくる男性のキャラクターとして、そういう人がいいなと思ったんです。