「退職後2年間は同業他社に転職しないこと」――そんな「誓約書」は有効なのか?
「退職後2年間は同業他社に転職しないこと、また同業で起業しないこと」。会社を辞めるとき、こうした誓約書へのサインを迫られるケースがあるようです。

 企業の立場からすると、何年もかけて育てた社員がライバル会社に引き抜かれたり、ノウハウを持って独立されたりしたら困るということなのでしょう。

 しかし、従業員の立場からするとこれまでの仕事で得た知識や経験を活かせないと、新たな職場を見つけるのは至難の業といえそうです。会社に迫られ、しぶしぶサインしたという人も多そうですが、こうした誓約書は「有効」なのでしょうか?

◆競業禁止の誓約書は「合理的な必要性」があれば、有効になる

◎林浩靖弁護士の回答

 ライバル社への転職や同業起業を禁じることを「競業禁止」と言います。

 競業禁止の誓約書が有効なのか、無効なのか。それを判断するカギとなるのは、「競業禁止に合理的な必要性があるかどうか」です。

 ポイントは、?誓約書を書いた人の地位、?競業が禁止される業務・期間・地域の範囲、?退職金の上乗せなどの代償処置があるかどうか。これらを踏まえて、総合判断がなされます。

 たとえば、競業禁止の期間が長いと、無効とされる可能性が大きくなります。また、役員など営業秘密に関わる人の場合、一般社員よりも禁止期間が長くても、合理性があると判断されやすいでしょう。ただ、個別の事情によるところが大きいので、サインを求められたり、トラブルになりそうなら、早めに弁護士に相談することをお勧めします。<文・協力/弁護士ドットコム>