「乳がん検診で行う検査は非常にファジー。定期的な検診を受けても発見は万全ではない」
 先頃、元女子プロレスラーでタレントの北斗晶(48)が乳がんを公表し、9月24日には右乳房の全適出手術を受けたことを告白した。テレビでいつも元気な姿を披露していた北斗だけに、驚いた人も多いはずだ。だが、同時に専門家の間から、冒頭のような発言が飛び出すなど、がん検診への疑問が投げかけられ、あらためて問題点が浮き彫りになっている。

 北斗は毎年、乳がん検診を受けていた。マンモグラフィー(乳房X線検査)や乳房エコー検査も行っていたという。それなのに乳がんが発覚した。がんは右胸の乳頭の真裏近くに見つかり、すでに直径約2センチの大きさになっていた。
 となれば、「これほど大きくなるまで、乳がんが見つからなかったのはなぜか?」という声が上がるのも当然で、検診での“見逃し”を指摘する専門家は少なくない。
 「乳がん検診の検査は非常にファジーなもので、『誰が見ても分からないがんがあった』と言われるケースもあります。乳房は脂肪組織と乳腺組織からできていて、乳がんは乳腺から発生する。マンモグラフィーなどの画像診断では、白く映る乳腺の中から、白く映るがんを発見しなければならない。これは白い雪の中にいる白いウサギを見つけるようなものです」(専門家)
 また、加齢とともに乳腺は脂肪に置き換わる。脂肪は黒っぽく映るため、そうなってくればがんも発見しやすくなるが、40代よりも若い人たちは、まだ脂肪が少なく乳腺が厚い。どうしても見逃しが増えるという。

 もう一つ考えられるのは「インターバルキャンサー(中間期がん)」で、定期的に健診を受けている人でも、前の検診と次の検診の間に症状が現れ、がんが発覚する場合があるという。
 東京社会医療研究センターで主任を務める平川恒彦氏は言う。
 「定期的な検診を受けている人は、2年に1回か1年に1回のペースが多いでしょう。しかし、分裂の早いがんの場合、1年以内に2センチ近く成長するケースもありますから、定期的に乳がん検診を受けていても万全ではありません」

 こういう話を聞いて、少なからずショックを受けるのは女性だけではない。男性にとっても深刻な問題で、もし自分のパートナーが検診を受けていながら発見されず、ある日突然、異変を感じて再検査したらがんを発症していた-となったら、その衝撃は大きい。男性も“乳がんの知識”を身に付けておく必要があるだろう。