▽ナビスコカップ2015の決勝戦、鹿島vsG大阪が31日(土)に埼玉スタジアム2002で開催される。鹿島は2012年以来の決勝進出で通算6度目の優勝を、G大阪はクラブ史上初の大会連覇を狙う。

▽シーズン途中の監督交代が功を奏し、不振からの脱却に成功した鹿島。ただ、天皇杯は3回戦で敗退し、チャンピオンシップ進出の可能性も厳しくなってきた。2シーズン続けて無冠に終わっているクラブとしては、是が非でもナビスコカップのタイトルを手中に収めたいところ。再び立ち上がった“赤鹿”が大会最多となる6度目のナビスコカップ制覇を狙う。

▽一方、ACLでベスト4敗退に終わったG大阪は、年間順位で3位につけており、チャンピオンシップ出場の可能性を残している。また、ACLとの兼ね合いで天皇杯はベスト16からの登場となっており、昨シーズンに続き3冠達成の可能性を残している状況だ。昨シーズンはナビスコカップを制したことで、その勢いのまま残りの2冠も手中に収めた。今回もナビスコカップを制し、今後のタイトルレースへ弾みをつけたいところ。

【チーム情報】

◆ダヴィはベンチ外か(鹿島)

▽出場停止者はいない。6月に右ヒザ前十字じん帯および右ヒザ半月板を損傷する重傷を負ったFWジネイ、10月上旬に左足を骨折したMF土居がそれぞれ欠場となる。また、FWダヴィが昨シーズンの終盤に負った負傷から復帰しているものの、コンディションが戻りきらないためにベンチメンバーから外れる可能性がありそうだ。



【予想スタメン】

GK:曽ヶ端

DF:西、昌子、ファン・ソッコ、山本

MF:遠藤康、柴崎、小笠原、中村

FW:赤崎、金崎

監督:石井正忠

負傷者:MF土居、FWジネイ

▽システムは、石井監督が好む[4-4-2]となる見込みだ。センターバックは、DF昌子の相棒に負傷明けのDF青木が入る可能性も考えられる。石井体制になって出場機会を増やしているMF中村がサイドハーフの位置で先発する一方、MFカイオは途中出場でジョーカーとしての役割を担うだろう。また、売り出し中の19歳、FW鈴木優も攻撃の切り札として控える。

【注目選手】

◆FW金崎夢生(鹿島)

▽日本代表への復帰も期待されるFW金崎に注目。海外でのプレーを経てゴールへの貪欲さが増しており、力強いドリブル突破やシュートへの積極性でゴールに直結するプレーを見せている。鹿島では本職の攻撃的MFではなく、主にストライカーの位置で起用され、ここまでチーム最多の公式戦13ゴールをマーク。加入1年目で今季のチームMVPともいえる活躍を披露している。決勝で求められるプレーは、もちろん得点。鹿島をタイトルに導くパフォーマンスに期待したい。

【チーム情報】

◆ベストメンバー(G大阪)

▽チームにとって今シーズン最大の目標だったACL優勝という夢が潰えたばかりだが、敗退後の仙台戦は3-1で快勝。過密日程による疲労も心配されていたが、仙台戦のパフォーマンスを見る限り、選手個々の状態は悪くない。また、チームに主だった負傷者もおらず、先発から控えまでベストメンバーで決勝に臨むことができそうだ。



【予想スタメン】

GK:東口

DF:米倉、丹羽、岩下、藤春

MF:今野、遠藤

MF:阿部、倉田、宇佐美

FW:パトリック

監督:長谷川健太

▽上記でも述べたように、主力に目立った負傷者を抱えていないため、システムと顔ぶれに大きな変更はなさそうだ。布陣は[4-2-3-1]が濃厚。顔ぶれは、1トップを務めるパトリックを筆頭に、2列目に阿部、倉田、宇佐美、ボランチには、今野と遠藤がスタートから起用されるだろう。唯一、変更の可能性があるとすれば、右サイドバックか。鹿島の左サイドを主戦場とするカイオが起用された場合を考慮し、米倉よりも守備能力に長けたオ・ジェソクが先発する可能性は考えられる。

【注目選手】

◆MF倉田秋(G大阪)

▽G大阪の注目選手には倉田を挙げたい。今シーズンの序盤戦は苦しんでいたが、東アジアカップで日本代表に初選出されてからは6ゴールと状態を上げている。クラブ復帰後は、豊富な運動量と持ち前の攻撃センスに加え、球際の部分も大きく成長。また、“戦える”選手としてもチームに欠かせない存在となりつつある。昨シーズンの決勝は後半ロスタイムからの出場だっただけに、今大会ではレギュラーとしてチームを連覇に導くべく、並々ならぬ覚悟をもって試合に臨むはずだ。

【試合の展望】

◆攻撃は迫力十分、課題は守備〜鹿島〜

▽現在の鹿島のストロングポイントは攻撃力。2トップのFW金崎とFW赤崎は、機動力を生かしたスペースを突く動きで深さを作り、味方との連係で危険な位置に侵入することができる。また、基本的にボックス左右の深い位置への侵入を狙っており、右サイドはMF遠藤康+DF西のパス交換、左サイドはMF中村(MFカイオ)の縦もしくはカットインを交えた仕掛け+DF山本のオーバーラップと、崩しは多彩。ここにMF柴崎が効果的に絡んだ時の攻撃は迫力十分だ。

▽一方の守備面は、石井監督の就任以降、練習でのタックル使用が解禁されたこともあり、球際の激しさが強化された印象。セカンドボールへの反応や一対一での局面で競り勝てるようになり、ある程度は守備面の改善が図れたが、あっさりと失点を喫するシーンも少なくない。今の鹿島は、「1点を守りきる」というより、「1点でも多く取る」ことが勝利への近道となっている。今シーズンのG大阪戦では、いずれも先制を許して守備を固められる展開に持ち込まれているだけに、守備から入るのか、最初から攻撃的な姿勢を見せるのか、石井監督がどういった試合プランを練ってくるのかにも注目したい。

◆鍵を握る先制点〜G大阪〜

▽G大阪のストロングポイントは、長谷川監督仕込みの堅守速攻。その“堅守”を体現する働きを見せているのが、最終ライン+2列目(MF阿部、倉田、宇佐美)だ。最終ラインではDF丹羽とDF岩下がラインをコントロールし、2列目の選手たちは献身的なプレスバックでコンパクトなブロック形成に一役買っている。さらに、最後の砦としてゴールマウスの前に立ちはだかるのが、ショットストップに定評のある日本代表GK東口だ。後半戦は失点数がやや増えているが、チーム全体で守りに入った際の守備は依然として強固であり、G大阪の強みの1つであることに変わりはない。

▽そして、堅守速攻の“速攻”を支えるのが、パトリックや宇佐美になる。最近は宇佐美が左サイドハーフにコンバートされたこともあり、カウンターに加わる機会が以前よりも減っているが、その切れ味鋭い突破は今も健在。また、高いボールスキルを駆使して前線でタメを作れる倉田がトップ下に入ったことで、遅攻からも迫力ある攻撃を仕掛けられるようになっており、攻撃のバリエーションは昨シーズン以上と言えるだろう。今シーズンは先行逃げ切りで鹿島に2連勝しているだけに、今回の対戦でも堅い守りから縦に早い攻撃で先手を奪い、試合を優位に進めていきたいところだ。

◆今季はG大阪の2戦2勝

▽今シーズンは、G大阪の2戦2勝という戦績。1stステージでは万博記念競技場でG大阪が2-0の勝利。不振が続いていた鹿島を相手に、G大阪がMF今野のセットプレーからの得点とMF遠藤保のPKで完勝した。一方、県立カシマサッカースタジアムで行われた2ndステージでもG大阪が2-1で勝利。FW宇佐美の個人技から2ゴールを奪い、鹿島の反撃をFW鈴木優のJ1デビュー弾にとどめた。

◆舞台は昨年に続き埼玉スタジアム2002

▽一昨年まで16年連続で決勝の会場となっていた国立競技場は現在、新国立競技場の建設に向けて、使用することができない。そのため、今年のナビスコカップ決勝も、昨シーズンに引き続き埼玉スタジアム2002が会場となる。最大収容人数6万3700人を誇るスタジアムで、国内3大タイトルの最初のトロフィーを高々と掲げるのは――。注目のファイナルは13:05にキックオフを迎える。