渋谷がダンスで埋めつくされる。世界レベルを肌で感じよう

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マイケル・ジャクソン、マドンナ、レディー・ガガ......世界でもトップクラスのアーティストのパフォーマンスをより引き立てているのが、バックダンサーです。

ライブやミュージックビデオの演出を盛り上げるダンスには、年齢や性別、国は関係ありません。なぜなら言葉ではなく、身体で気持ちを表現するものだから。

アーティストをより輝かせるために、スポットライトの下で踊るダンサーたちは、真剣そのもの。

実際にダンスを間近で見ると、「ここで踊りたい!」「自分の技術をたくさんの人に見てほしい!」、そんな熱い想いがひしひしと伝わり、目が離せなくなります。

好きなことを仕事にしている反面、自分の身体で勝負し、表現し続ける難しさ、好きからはじめたことだからこその苦悩がもしかしたらあるのかもしれません。

そこで、今回は、世界で活躍するダンサーにどんな想いでダンスをしているか、お話を伺ってきました。

世界で活躍するダンサー「s**t kingz(シットキングス)」

「Get Ready for The Show」by s**t kingz

シットキングス」は、oguri、kazuki、NOPPO、shojiの4人のダンスチーム

カリフォルニアで開催されたダンスコンテスト『Body Rock』において2010年、2011年と、2年連続優勝。『Body Rock』はアジア、ヨーロッパなどの世界中から実力のあるダンスチームが参加する、有名なコンテストのひとつです。

現在は三浦大知やBOAなどの一流アーティストのバックダンサーだけでなく、振りつけ、世界各地でのパフォーマンスにワークショップなど、さまざまなシーンで活躍しています。

自分にしかできないことを追求する

――大好きなダンスを仕事にして、きっと毎日が充実しているシットキングスの皆さんですが、ダンスから逃げたくなったことはありますか?

shoji:昔より少なくなったけど、つい最近もあります。ダンスが仕事になった瞬間、好きって言う気持ちよりも「自分にしかできないことは何か」って考えないといけなくて。自分の価値と真正面から向き合わなくちゃいけない。25、26歳あたりが一番辞めたかったかも。でも、30歳を過ぎたころから細かいことを気にしないようになりました。悩むくらいなら、全力で踊って頑張ろうって。

NOPPO:ダンスをやっている環境から逃げたくなったことはあります。自分たちに似たジャンルを踊るダンサーやグループが増えてくると、他の新しいことを探していかなきゃいけないし、道を切り開いていかないといけない。やっぱりプレッシャーもあるし、「やりたい」が「やらなきゃ」っていう想いになっていって、そこから逃げたくなる。でも、踊ることが大好きだから、結局は逃げないんですけどね。

― 悩んで「逃げたい」と思っても、ダンスを続けてきた。「好き」の気持ちがあるからこそですね。そんなダンス人生の中でいちばん印象に残っていることはありますか?

kazuki:僕はずっとアメリカで参加した「Body Rock」が一番だと思ってます。はじめて優勝したとき、舞台から見えた景色がすごくキレイで。今でも覚えているんですが、もう、うわぁって感動して......。でも、去年自主公演でお客さんにスタンディングオベーションしてもらったときは、「Body Rock」と同じ感覚になったんです。完全に自分たちで作った舞台だったので、達成感もめちゃくちゃ大きくて。

自主公演をはじめ、ひとつひとつのステージに対する想いがとってもアツいシットキングス。

どんなに忙しくてもメンバー全員で話し合って、丁寧にダンスを作りあげていくとのこと。

― 自分たちのダンスを観てくれるお客さんに、伝えたいことは?

NOPPO:この4人でチームとして踊ることは......そうですね、「週刊少年ジャンプ」みたいな感覚かな。次を楽しみにしてもらいたいし、今度はどんなことするんだろうって、わくわくしてもらいたい。中毒性のあるチームにしていきたいです。

oguri:お客さんには何も考えずに笑顔になって欲しい。ストレス発散して単純にハッピーになってもらえたら。あとは、いい映画を観ているような感覚になって欲しい。明るいシーンで楽しい気持ちになって、悲しいシーンでは心が揺さぶられたり。ダンスのひとつひとつを一緒に味わっていきたいです。

これからも4人で出来るものをしっかりと続けていきたいと話すシットキングス。

メンバー全員で考えてつくっているものを色々な国でパフォーマンスして、ダンスの魅力をどんどん伝えていきたい。彼らの夢はまだまだ膨らみます。

そんなシットキングスが参加する『Shibuya StreetDance Week 2015』が、今年11月に渋谷で開催されます。続いて、その企画、制作として携わり、シットキングスと同じくダンサーとしても活躍する義井翔大さんにお話を伺いました。

渋谷から、アジア、そして世界へ

――今回のイベントを渋谷で開催しようとした理由は?

義井翔大さん(以下、翔大)1980年代に日本のダンスカルチャーの発信地である渋谷は、ダンスの原点だし、若い人も多くてパワフル。だからこそ、渋谷を舞台にダンスの魅力を伝えたいと考えました。日本のダンサーは、世界でも高い評価を受けているので、日本のダンスシーンを世界に向けてもっと発信していくきっかけになったらと。

ダンスの楽しみ方はどんどん多様化していると話す翔大さん。

舞台を鑑賞する、先生に習ってみる、バトル、コンテスト......、想像以上にあるスタイルを今回のイベントを通して体感してもらいたいとのこと。

翔大:ダンスをやったことのないひとにも、まずはシンプルにダンスに触れて欲しい。触れることでダンスが自分に合うかどうかジャッジできるし、新しい発見もあったりするから。今回のイベントがダンスに興味を抱くきっかけになったらと思います。

自分の役割は、ダンサーがありのままの姿で活躍できる場をつくることだと考えている翔大さん。

ふらっと映画館に行くように気軽に足を運べるダンスのイベントとか、そういうものを今後もしっかり考えているそうで、これからどんどんダンスシーンが身近になっていく予感

インタビューの間ずっと笑顔で楽しそうに話してくれたシットキングスと義井さん。ひとつひとつの言葉にアツい想いを感じました。

「好き」を仕事にすることは楽しくてしあわせなこと

そして同時に、自分の価値と真っ正面から向き合わなければいけない、大変なこと。

世界で活躍するシットキングスだって、悩みながら自分の道を切り開いてきました。彼らのお話を伺っているうちに大きな勇気をもらえ、自分の好きなことにもう一度向き合っていきたいと考えさせられる時間でした。

そんなシットキングス出演、翔大さんがたずさわる『Shibuya StreetDance Week 2015』は2015年11月22日(日)、23日(月・祝)に渋谷で開催。

渋谷区文化総合センター大和田 さくらホールでは、シットキングスのoguriさんが演出として参加する舞台、『A Frame』が23日に行われます。全席指定席のチケットは、早めにチェックを。

ほかにも無料で参加できるプログラムや、ワークショップなど、ダンスが好きなひとはもちろん、ダンスをまだ知らないひとも気軽に楽しめる内容になっています。

国内最大規模のストリートダンスの祭典は、見逃せません。

国内最大規模のストリートダンスの祭典『Shibuya StreetDance Week 2015』

日時:2015年11月22日(日)、23日(月・祝)
会場:代々木公園(野外ステージ、ケヤキ並木、イベント広場)、HARLEM、渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール
主催:国際交流基金アジアセンター、アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)、株式会社パルコ

▶▶詳しいプログラムはコチラ

[Shibuya StreetDance Week 2015]

※敬称略

top image via Shutterstock

撮影/岩瀬智世 取材・文/榧野文香