専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」
【連載●第27回】

 ゴルフって、スコアを競うスポーツですから、たまに大叩きしてスコアを崩す日がありますよね。そういう日は、すこぶる機嫌が悪くなり、ストレスもたまります。

 さあ、そんな日はどうしたらいいでしょうか。反省の意味を込めて、練習すべきなのか......。

 まず、「叩くこと」と、個人的なマッチプレーで「負けること」は別なお話ですから、分けて考えましょう。

 例えば、ライバルの同伴メンバーとスコアを競って、接戦の末に負けたとします。その場合は、自分でもベストを尽くして、そこそこのスコアで戦えたのだから、悔いはない。むしろ、清々しい気持ちでしょう。

 問題は「叩くこと」です。叩くという行為は、自分の平均スコアよりも10打以上、多めのスコアになったときでしょうか。それは、「叩きましたね......」となります。

 一般的に、自分のベストスコアと平均スコアとの差は、おおよそ10打くらいの差があると言われています。私は、ベストスコアが75です。本来なら、85が平均スコアであるべきですが、今や平均スコアは90前後。すでに全盛時を過ぎて、平均89がいっぱいいっぱいです。実力的にはこんなものでしょう。だから私の場合、100以上の数字で回ったときは、叩いたことになります。

 さて、叩くのは仕方がないとして、それはどう治せばいいのか。

「叩いた日に練習するのが一番いい」と言われていますが、実際はそんな心境にはないですよね。頭に血が上っていますから、冷静な判断のもとに練習できるかどうかも疑問です。血圧を下げると言われている『ゴマ麦茶』でも飲んで、おとなしくしているのがいいかもしれません。

 かつて、私が叩いた日の矯正法は凄まじかったですね。ラウンドの前半に叩いて、こりゃ大変だってことで、昼休みにコースのドライビングレンジで練習していたほどです。そんなことが、3回くらいはありましたか。

 その際、練習場じゃあ、すっかりいい感じに治って、いい球が出るのですが、午後のラウンドが始まると、「あらら〜」という具合に、また前半の悪い状態に戻って叩き始めてしまいました。これは不思議ですね。同じことが何度かありましたが、いつも一緒なんです。

 叩いた直後というのは、興奮しているので、精神面で問題があります。何よりアドレナリンが出まくりです。そんな状態だと、余分なパワーで暴走したり、集中力も欠けたりして、ケアレスミスを起こしやすいんです。結局、ラウンド中の矯正なんて、一時しのぎで、思ったより効果は出ないんだと思います。

 じゃあ、ラウンド後の、夕方にでも昼間の反省をするのがいいのでしょうが、まずそんな時間はないでしょう。体が疲れているし、精神的にもまだ参っています。アプローチやパターでの"反省会"はやってもいいですが、ショットまでやるのは、そもそも体がついていかないし、疲れるだけだと思います。

 正解は、叩いた日から、さほど日にちが経っていない余裕のある日に練習すればいいんじゃないですか。ラウンドを終えて、体が硬くなった部分を解きほぐして、精神的にもヤケ酒を飲んで憂さ晴らしをしてからでも、十分に間に合うと思います。

 練習場に行くと、最初は「あれまあ、ドライバーはちゃんと曲がらずに飛ぶじゃん」ってことが往々にして起こります。あれもまた、不思議です。プレッシャーもない、風もない、ギャラリーもいない、それで打ち直し放題......たぶん、そういう甘い状況だから、ちゃんと飛ぶんだと思います。

「叩くこと」を治すには、何回かラウンドをして叩いて、その都度、泣きながら練習を繰り返して克服するしかありません。

 えっ? すでに練習場でも曲がるって。それは、大変です。もはや自分の手には負えません。自ら治すことを考えるより、練習場のレッスンプロに見てもらったほうが手っ取り早いです。

 自分で出口が見えなくなったら、誰かに頼る。面倒くさいですが、それが出口から抜け出す一番の早道ですね。

【プロフィール】
■木村和久(きむら・かずひさ)
1959年6月19日生まれ。宮城県出身。株式をはじめ、恋愛や遊びなど、トレンドを読み解くコラムニストとして活躍。ゴルフ歴も長く、『週刊パーゴルフ』『月刊ゴルフダイジェスト』などの専門誌で連載を持つ。

木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa