コンプレックスはカミングアウトすると楽になるのか?
【石原壮一郎の名言に訊け】〜福山雅治の巻

Q:じつは世間には仮性包茎のほうが多いらしいし、医学的にも気にする必要がないのはわかってるんです。だから、手術を受けようとは思いません。ただ、大きさも小ぶりなんです。そういう場面になって、心の中で「あっ、この人、仮性なんだ。そして、小さめかも」と思われるのが嫌で、女性と付き合っても深い関係になれません。風俗に行って「俺のアソコ、どう思う?」と聞いてみたこともありますが、女の子は「えー、普通じゃない」としか言ってくれませんでした。どうすれば吹っ切れるんでしょうか。(奈良県・25歳・製造業)

A:心が洗われるようなピュアなお悩み、ありがとうございます。女の子がそう言うなら、たぶん普通なのではないかと思いますけど、ご本人としては納得できないわけですよね。喫茶「いしはら」のカウンターでは、前回も登場したオネエ言葉がトレードマークの松本さん、通称「おマツさん」が、おかわりのコーヒーをすすってらっしゃいます。きっとヒマなんですね。引き続き、聞いてみましょう。おマツさん、いかがですか?

 うるさいわね! くつろいでるだけでヒマじゃないわよ! まっ、予定もないけどさ。だからって、こんなノンキな相談に答えさせないでよ! まっ、答えてあげるけどさ。

 本人もわかってるだろうけど、25歳にもなってナニ言ってんだか。でも、この手のコンプレックスって、頭ではわかってても気になっちゃうのよねー。私? 私はでかいわよ。でかいんだけど、形が美しくないのよ。もうちょっとイケチンだったらなって、ずっと悩んでるの。見た人はみんな「そんなことないよ」って言ってくれるんだけどね……。

 って、私のチンコの話なんてどうでもいいのよ。このあいだ結婚しちゃった福山雅治クン、いるでしょ。彼はあれだけのイケメンなんだけど、下ネタ大王でもあるって知ってた? ラジオの深夜番組の中で、こんな発言までしてるの。今回は二連発よ!

「オレは仮性包茎だ。でも、オレはそれをカッコ悪いと思ってないから、ラジオで言うよ」
「(自分のチンコは)生まれたてのハツカネズミのような、ひじょうに奥ゆかしいチンコ」

 もしかして「イケメンだから言えるんだ」と思ったとしたら、勘違いもいいとこよ! イケメンで大スターの福山クンが下ネタを言うのと、どうでもいい普通の男が下ネタを言うのと、どっちがハードルが高くて勇気がいると思うの! 福山クンが堂々と、自分は仮性包茎でチンコが小さいって言ってくれている。そのすごさと素晴らしさを少しは噛みしめなさい! 自分の小ささも噛みしめなさい! 違うの、そこを噛めって話じゃなくて。

 まあでも、福山クンが本当に仮性包茎で小さいのかは、あの女に聞いてみないとわからないし、福山クンがそれをコンプレックスに思ってるかどうかもわからないけどね。それはさておき大事なのは、コンプレックスを吹っ切りたかったら開き直れってこと。

 仕事でも同じよ。学歴だの英語力だのコミュニケーション力だの会社の規模だの、コンプレックスの種には事欠かないけど、クヨクヨウジウジ悩んでどうなるの。誰にだって引け目を感じることや至らない点はあるけど、コンプレックスにとらわれているみっともなさに比べたら、どれも取るに足らない小さな差よね。いわんや仮性包茎やチンコの小ささをや!

 あんたも福山クンを見習って、仮性であることや小さいことを公言してみるといいかもね。最初は徐々に、たとえば同僚の仕事を手伝ってあげるときに「俺がカセイ(加勢)するよ」と言ってみたり、感動したときに「ミニ(身に)しみるなあ」と言ってみたり。いつの日か「オレ、仮性で小さめだから安心していいよ」とか言って、女の子を口説けるようになるといいわね。何が「安心していいよ」なのか、よくわかんないけど。