国を挙げて推進している、女性の活躍。保育園を増やそうと取り組む自治体も多く、また企業にも育児中の女性が働きやすい職場環境にしていこうという動きがみられます。その一方で気になるのは、母親が働くことによる子どもへの影響。なかには、子どもと過ごす時間が減ってしまうことで、情緒面などにマイナスの影響を与えてしまうのではないかと懸念するママもいるのではないでしょうか?

●働くママの子どもは優秀に育つ?

そんななか、ハーバード大学ビジネススクールが気になる研究結果を発表しました。先進24カ国の男女3万人のデータを分析したところ、「母親が働いている家庭環境で育った娘」の多くは、社会に出てから収入面などで優位に立つことが多かったそう。

母親が働いていない家庭の娘に比べ、「フルタイム仕事に就いている」「管理職に就いている人も少なくない」ということが判明したといいます。さらに、仕事を持たない母親の娘よりも収入が23%も高かったのだとか。

また、「働く母親の息子」についても家事を助けたり、家族に費やす時間が多かったことが分かりました。ちなみに、母親が年に数か月だけ働く場合や、毎週60時間働く場合を比べても、結果は変わらなかった模様。

●乳幼児期の仕事復帰には懸念点も

しかしその反面、いくつかの懸念点も指摘されています。独立行政法人労働政策研究・研修機構が公表している「子どものいる世帯の生活状況および保護者の就業に関する調査」の分析結果によると、子どもが満1歳までに早期仕事復帰したり、質の悪い保育サービスを利用したりすると、「ウェルビーイング」(※子どもの身体や精神が、社会的に良好な状態にあることを示す概念)の低下につながりやすいと報告されています。また、母親の就業時間が長いと子どもに本を読み聞かせたり、宿題のチェックをするといった時間が少なくなり、結果的に子どもの認知能力や学業成績に負の影響を及ぼす懸念もあるそう。

一方で、母親が働くことで子どもの教育支出によりお金を掛けられるため、幼児教育プログラムの整った集団保育施設を選ぶこともでき、結果的に子どもの学業成績の改善効果が期待できるという考え方もできるようです。

育児期の母親の就業は、一概にプラスマイナスで語れるものではなさそう。子どもの性格や家庭の経済状況なども踏まえつつ、家族でしっかり話し合うことが必要かもしれません。

(文・オオノ・ヨーコ)