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10月27日、都内でOpenStackのカンファレンスである「OpenStack Summit Tokyo」が開幕した。同サミットは初の日本開催となり、56カ国から5000人以上が参加している。基調講演や国内外の関連企業による展示会などを実施し、期間は同月30日まで。

基調講演に登壇したOpenStack Foundation(オープンスタック・ファウンデーション)エグゼクティブ・ディレクターのジョナサン・ブライス氏は「OpenStackの開発モデルはすべてのフェーズにあらゆるメンバーが参加できる。要件の吸い上げについてもコムキャストやヤフー、そのほかの大きなユーザーが常にTop20のコントリビューターの中に加わっている。そして、ユーザーの発言権が活きるということがOpenStackの重要な点で、さまざまな人が参加でき、ソフトウェアの方向性を決め、ダイレクトなコントリビューションが可能だ。『Liberty』では管理性やスケラビリティ、そのほかのさまざまなアップデートがユーザーの声に基づいている」と述べた。

また「Libertyのリリースサイクルは初めて新しいプロジェクト組織のモデルの下で行われたリリースサイクルだ。イノベーションを生むことを可能とするため、より多くのプロジェクトを行うことや多くの人が参加できるようにした。『Magnum』のコンテナ管理機能(Kubernetes、Mesos、Docker Swarmに対応)などの動きはイノベーションを推進していく上で重要な動きで、多くの開発作業が行われている」という。

さらに「OpenStackはコンピュート、ストレージ、ネットワーキングといった基本的な機能のほか、ビッグデータ分析、リレーショナルデータベースというものは展開のレベルはそれほど大きくないが、開発は進んでいる。共通のベースラインがあり、それ以外にも追加のケイパビリティ(組織的な能力)があり、開発とユーザーの相互運用性を確保することは非常に重要だ」と指摘。

相互運用性についてRackspaceプライベートクラウド部門主任アーキテクトのイグル・シグラー氏が登壇し「相互運用性を図るためコミュニティで基準を設定する組織としてDefCoreを2015年5月に開催した『OpenStack Summit Vancouver』の際に設置し、ロックインが起こらないようにしている。DefCoreはコミュニティ主導のプロセスで、まずはケイパビリティをスコアリングし、共通で使用されているかどうかの意見を集約した後にフィードバックを経て評価した上で次のガイドラインを出していくことだ」と説明した。

同氏に同調するようにジョナサン・ブライス氏は「スコアリングは採用や成熟、またプロジェクトを開発していた期間などさまざまなファクターがある。採用と成熟は重要な要素であり、成功するテクノロジーは幅広く採用され、成熟している。数年前のOpenStackは成熟度合いが低かったが、5年を経て躍進した」と強調した。

一方「興味深いのはOpenStackの環境はマシンの上にVM(仮想マシン)を置いた状況で始めるが、ユーザーサーベイのソフトウェアセクションのデータによると、例えば『Sahara』を展開する時やHadoopでビッグデータ分析を行う際にベアメタルサービスを提供する『Ironic』も同時に展開しているケースが多く、VMでスタートするケースもあれば、ベアメタルでスタートするというケースもある。最大限のパフォーマンスを上げていくためにベアメタルでも展開したいとうことがOpenStackの環境で実際に起こっていることだ」と同氏は語る。

そして「OpenStackは様々なケイパビリティがあり、VM、ベアメタル、コンテナをはじめとしたものはオープンな開発の中であらゆる革新がコミュニティベースで進んでいる」と述べた。

なお、同日にOpenStack FoundationはOpenStackソフトウェアの利用方法に関し、分かりやすい情報に基づく意思決定を支援するWebサイトとして「Project Navigater」と、人材育成やグローバルコミュニティの拡大に向けた戦略的活動の一環として認定制度「OpenStack認定管理者(COA)」を発表。

Project Nvigaterでは25種類以上のクラウド関連サービス/プロジェクトの成熟度やリリース計画、パッケージング、マニュアルサポートなど各プロジェクトに関する重要情報を操作しやすいインタフェースに集約することで課題解決を支援する。一方、COAはOpenStackに関する知識の基礎評価を目的とし、2016年中に第1回試験が行われる。

(岩井 健太)